第7話 社怪人(初期) 文字の暗黒時代へ

 1970年代後半に学生生活を終え社怪へと旅立ったビール男、必要な知識は何とか生きていくためのものばかりで免許や資格参考書ばかり、心や疲れた頭を癒すものはたいして無かったのです。すなわち、社会人となってからは朝8時から夕方の5時仕事は普通で、残業1時間プラスが当たり前だったのです。宿舎や旅館に帰れば、ひと風呂浴びて晩飯となりその後はみんなで近くの焼き肉屋みたいに、ほぼ自分一人でゆっくりくつろげる時間はまれだったのです。


 バッテンですが、独り九州の片田舎からの出稼ぎ奉公、就職難の時代に採用されて、金額は多くはなかったものの、とにかく働けて自由に使える給料をもらえる喜びがありました。当たり前の話ですが、全てが新鮮で新しい世界でした。(笑)

 今ではアル中もどきのびーる男、当時は真面目な一面もあって、大学では8千円/月の奨学金を貰いながら親の仕送り約3万円/月と併せて生活していたので、その返済もきちんとしておったと自己弁護しています。👏・・


 1985年春までの数年、異国の大都会”東京”の外れ武蔵野あたりに籍を置いたものの、実質そこで生活してたのは半分にも満たなかったようです。入社当時、特殊工事課は特工隊の愛称(?)で呼ばれていて、会社の中でも更に特殊な工法ばかり団体(グループ)で施工していたので、一年のほとんどが地方への出張部隊だったのです。テレビも歌番組やバラエティーやスポーツものばかりの生活だったのです。


 今思い返せば、集中して本を読むゆとりがなかったために、途中でいつ辞めてもいいや、みたいに感じていた日本作家の本を、少しづつ、敢えて読んでいたのです。あまりにもオーソドックスすぎていますが、映画公開されてテレビでも放映されだした所以で、小松左京の「日本沈没」とか横溝正史原作で石坂浩二主演の「犬神家の一族」、テレビの映画コマーシャルが今でも思い返される森村誠一原作松田優作主演で映画化された「人間の証明」などです。それにしても、横溝くんの小説は怨念とかたたりとかがやたら強調されてるように感じ、くどすぎて今一の評価をでしたが、小松さんや森村さんあたりは、時間を空けて読んでもそこそこ楽しめた記憶があります。


 実はびーる男くん、高校時代からの洋物推理小説(創元推理文庫、ハヤカワミステリ文庫)の約400冊の文庫本は、宝物として大学の下宿や会社の寮の本棚に置いていたのです。(笑)



 

 


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