第8話 社怪人(中期) 実用書の合間に ちと寄り道

 1980年代後半は、生まれ故郷長崎に少し近づきながら九州に赴任していました。着任した初めのころは今までと同じく現場監督を一人で任されての工事が殆どであったので、仕事を離れていても常に頭の中は今日の反省と、明日の作業段取りで占められており、役所対策や地元の住民対応なども気を配る毎日でした。やはり、継続して実用書のお世話になるも、中身はすこしづつ変わっていたみたいです。


 赴任数年後からは営業職も兼務したりしたので、顧客との会話を考えてカーネギーの「人を動かす」「道は開ける」みたいな仰々しいビジネス書や、小石雄一の「週末の達人」「知的書斎のつくりかた」などのゆとり人生の整理方法、はたまた、何ということでしょう「日経コンストラクション」なる雑誌まで読むようになっていたのです。ちなみにこういう書籍は、基本ハマってまでは読まなかったので、びーる男の脳みそには、中身についてはさほど残っていません。


 びーる男さん30代で遅めの結婚を見合い恋愛にて成就させ、1990年代になると念願の一女一男の子供を授かったのでした。これが理由だったかは覚えてないみたいですが、そのころから「数学のしくみ」「科学のしくみ」「物理のしくみ」三部作とか「しくみ辞典」「法律雑学辞典」「心理学雑学辞典」などを読み漁り、悲しいかな頭の中から小説関連が消えかかってしまったのです。どうしたのでしょうか?!


 子供たちが少し大きくなり、保育園などに行きだすころには子供向けのジブリ映画にどっぷりつかってしまい、「となりのトトロ」「天空の城ラピュタ」「魔女の宅急便」など、またも少し大きくなると洋物の「トイ・ストーリー」シリーズ、それから今でもすごい「ハリー・ポッター」シリーズと、映像作品があふれておりましたとです。テレビでは、一昔前のチャールトン・ヘストン他主演の「猿の惑星」シリーズや一昔前の特撮映画(B級?)が放送されてたりして、びーる男お父さんも満足していたのです。


 そしてパソコンなどの2000年問題が危惧されつつ”ノストラダムスの大予言”などが、広く巷で噂されるようになってきた挙句に、とうとう「2001年宇宙の旅」が想定した実の年を迎えたしまったのです。

 映画では、宇宙船に重要な役目を持って搭載された人工コンピューターの❝HAL(ハル)❝くん、初めのころはキチンと役目を果たして船員の指示に従い、宇宙船を管理していたのです。


 実は2000年代末で、びーる男さん、何と転職してしまいました!らしい(笑)

  

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