第5話 本格的な探偵の世界へおちて

 シゲル青年の「おちたはなし アレコレ」には入れてもらえなかったのですが、この反抗かつ思春期でもあったころにドップリとおちたエピソードがびーる男さんにもあったのでした。とにかく読み始めたら最後の種明かしまで一気に読みたかったので、長編になると身構えつつその世界に入っていってしまうのです。ですから、あいま見て短編集を購入しながら、勉強と趣味の読書のバランスを維持していたみたいです。


 先ずは創元推理文庫目録一人目のウ"ァン・ダインの紳士探偵ファイロ・バンスを主人公とした重厚なストーリーが好きだった殺人事件シリーズ、そしてマンフレッド・リーとフレデリック・ダネイの従弟二人のエラリー・クイーン名義のそのまんま陽気な性格のエラリー・クイーン青年を主人公にした国名殺人事件シリーズ、並びにX・Y・Z・・事件の4部作などを、本屋さんに並ぶたびに購入し読み漁ったのです。あとの方の探偵はドルリー・レーンという耳が聞こえないろうあ者でありながら本格的な推理を行う元俳優との設定で、なかなか興味が持てて面白い作品でした。


 同じ作家の本ばかりが本屋さんに並ぶわけではないので、合間でやたらと書きまくっていたアガサ・クリスティーの灰色の脳細胞探偵エルキュール・ポアロやどこにでも居そうなミス・マープルおばさんたちの事件簿、密室物を得意としたディクスン・カーター(名義多数)、フレンチ警部ものを書いた本格的推理作家F・W・クロフツなどもおり、多種多様な世界に連れて行ってくれたのである。


 文庫本を読み始めた最初のころ、かの有名なシャーロックホームズ探偵もおられたが、あまりにも当たり前すぎて読む気持ちにならなかったのだが、他に読むものが見つけられなかったので、とりあえず読むか、くらいで読みだしたら止まらなくなってしまい、シリーズをあちこちの書店に買い求めて、もっと早くに読んどけば良かったと後悔したのです。🌊だ 今でも、古書店でシャーロックホームズもののアンソロジーとか、そく買ってしまうのです。


 その頃の画面では、ボサボサ頭のピーター・フォーク主演の「刑事コロンボ」シリーズや、スキンヘッドと葉巻くわえた洒落ものテリー・サバラス主演の「刑事コジャック」が放送されたり、ジョン・ウエィンやヘンリー・フォンダ、バート・ランカスターなどが主役だった本格西部劇に、クリント・イーストウッドやフランコ・ネロ、りー・バン・クリーフなどの個性的な俳優が演じたマカロニウエスタンが対抗し一世を風靡していたのです。とにかく、スカッとして格好良かったのを覚えています。



 


 

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