第7話 天才美少女VTsuber

『そんな…バカ…な…』


手に汗握る激戦を大勝利!歓声とウルショの嵐が全てを包み込み、競馬場は吹き飛んだ。

収まることを知らない盛り上がりの中、絶望に打ちひしがれる彼は完全に孤立している。


「スッッゴク楽しかった!また一緒に競馬しようね」


『もうダメだ…星に帰れない…』


「え?なんで?」


周りの空気が急に変わる。

彼の競馬への熱い想いと私の圧倒的な魅力がぶつかり合った楽しい配信。これを全宇宙に届けられたのにどうして──


「わかった!お土産が無くて困ってたんだね。

宇宙の皆見ってるーぅ?この配信を見てくれた初見さん全員に馬をプレゼント!概要欄のフォームから応募してね♡」


『……』


口をポカーンと開けて驚く彼。そんなに喜んでくれるなんて嬉しい!


「おーい、住所教えてくれないと送れないよー」


『そんなに大量の馬…運べない…』


「そうだね、ごめんごめん。おーい、ヒツジー」


私はもう宇宙一の天才美少女VTsuber。次の目標は…あれ?宇宙よりでっかい規模の一番!


有名になりたいVTsuberは全リスナーに馬を買うべき♡

(完)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

有名になりたいVTsuberは全リスナーに馬を買うべき 茅ヶ崎めい @chigamei2323

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ