第47話 食堂前で

「何食う?」

「うーん、考え中」

「唐揚げ定食にしね?」

「いいよ」


着替えを終えた俺は柚葉と合流し、食堂を目指していた。


「あやせ、疲れてる?」

「全然」

「お疲れ、あや姉、ビッチ先輩」

「しょーくんとゆーちゃんもお疲れ〜」

「お疲れ様です」

「おいこら、翔、せめて新凪と呼びな」

「黙れビッチ」

「かわいくな、絶対ボコす」

「やってみろ」


前を歩くビッチ先輩とあや姉は手を振ると手を振り返してくれた。


「俺もいること忘れんなよ、翔」

「勿論、忘れてませんよ、有志先輩」


ビッチ先輩を後ろから抱きしめ、ビッチ先輩の顔の横からひょっこりと顔を出す有志先輩。


「楽しみにしてるぜ」

「先輩、柔らかいですか?」


流石はドラ一候補の有志先輩。

度胸は高校レベルを優に超えているな。

とても俺にはさりげなく彼女の胸を鷲掴みになんて出来ない。

今はまだ。

ちなみにビッチ先輩の胸は噂によるとEらしい。


「最高だ、お前も行っとくか?」

「有志先輩...」

「ふざけんな、ボケ」

「次はここ行くぞ」

「ごめん」

「有志くん、いきなりはダメだよ流石に」


ウインクした瞬間、腹に肘を入れられた有志先輩は腹を抑え蹲る。

ビッチ先輩は視線を合わせるようにしゃがむと足を有志先輩の有志先輩に当てる。

有志先輩は身体を震わせ、子犬のように弱々しい声を絞り出した。

そんな光景を見た俺たちは苦笑いするしかない。


「後輩君ケツならバレんよ」

「おい姉ちゃん、ここで脱がすぞ」

「マジ...?」


んなわけない。

通りすがりに柚葉のズボンに手を突っ込んだ早瀬先輩はズボンに指をかけられ、恐る恐る振り返る。


「嘘だと?」

「嘘!?」


柚葉は素早くズボンに手を突っ込むと更に素早くシャツに手を突っ込みブラのホックを起用に外してみせた。

早瀬先輩は咄嗟にしゃがみ、胸を抑える。


「行こっか、翔」

「謝るから許してよ!」


柚葉はスマホを向け、一枚だけ撮影すると食堂に入っていく。

当然俺は後を追うんだが少し可哀想だな。

完全に落ちてるし、ブラの後ろ。

幸いなのは後ろに男子がいないことだ。


「やだよーだ」


あっかんべーをする柚葉。

可愛い!


「ゆーちゃんやりすぎだよ〜、はいもう大丈夫」

「マジありがとうございます、先輩!」


そして、あや姉はマジで女神のように優しく手際が良い。

早瀬先輩はギュッと抱きしめ、ほっぺをすりすりさせる。


「柚葉、やるならビッチにしろ」

「おけ」

「おい」


こういうのはビッチ先輩みたいなキャラだけにやるべきだ。

早瀬先輩はビッチにキャラが近いがそこまでしていいキャラではない。

ーー泣きそうだったしな

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ポンコツ幼馴染(先輩)に振られた翌朝、何故か同居することになった件 @kei06

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