2024.4.30 ぼくと熊本地震その4
4月16日、朝。
向かうは熊本駅。徒歩。だいたい2時間くらいだろうか。
備蓄は無かったが、13日(前震の前日)に献血へ行きお礼のオヤツを貰っていたので、お供に持って行く。ブルボンのチョコクッキー。ああ書いてると食いたくなってきた。
簡単な身支度と、PCを持って。
よし、行くか!熊本駅!
歩く。
大学を通ると、運動場に学生たちが集まっていた。なかにはボランティアがどうたらはなしているひとたちもいたので、自分らも被災した側だろうに立派なものだと思った。いち早く県外に逃亡しようとしてるのだから、超他人事である(尤も、今となっては特に何の役割もそこに留まる理由もなくある程度自力でそこから離れられる人間は危機回避の観点からそうするのも手だと思うので、有効な選択肢だったろう)。
熊本城の少し近くを通りかかる。この時は石垣の崩れたることを知らなんだが、この時点でちゃんと熊本城を見ていなかったので、崩れるまえの城をちゃんと見ておけばよかったと後悔している。
よく遊んでいた「通町アーケード(ぼくはクソキモ陰キャオタクでアニメイトとメロブしか行き場が無かった。それは今も変わっていないが、いまのオタクはもう少し生き方が拡張されており、ちゃんとほかにも人生に「光」があるような気がする。でもこの時からまだ10年も経ってないくらいなんだよな……じゃあクソキモ陰キャオタク『でしかない』のは少数派なのかもしれない……)」も当然何もせず通り過ぎやがて熊本駅へ。
そこにはやはり、僕と似た目的のやつらがいた。
タクシー待ち、県外行きの人たち!
まずは座り込み、クッキーを補充。まあお行儀悪いですわ!うるせえよ準非常事態みたいなものだぞ。
食す。
そして、タクシー乗り場で待つ。
すると、やがてタクシーが来る!
やった!
しかし、それは横入りした謎の2人組に先取りされる。ぼくは自己主張が苦手なのでなにも言えなかった。これは、その2人組を恨めば済む話なのかと言えばそうでもないと思う。覚えていないが、この時僕の後ろにも順番待ちがいたんだったら、その人たちのためにも順番をきっちり守らせるべきだったろう。
しかし、待っていると少しはいいこともある。ルートが同じ人たちが集まり、4人というちょうどいいメンツでまとまれたのだ。個別に行くよりも、回転率的にも予算的にも助かる。そうして僕達は見知らぬパーティー4人組でタクシーの運ちゃんを捕まえ、脱熊本に乗り出したのだった。
まあ、そんな勢いは他所にけっこ~混んでたので、のろのろだったんだが。
旅は道連れ且つ一期一会、あの時の人たちは皆もう顔も覚えていない。元気にしてるんだろうか。ひとりは当時就活中だった。無事上手く行ったのだろうか。タクシーの運ちゃんは「みんな初対面なの!?」と驚いていた。励ましにオヤツをくれたのを覚えている。でも県外に逃げればそれで済んだぼくより、これ以降も、欠けた公共インフラを補うことになっだであろう運ちゃんの方がずっと大変だったと思う。なんというか月並みで平凡ではあるが、立派だなあということしか言えない。
そんなこんなで県外のどこそこのPAにて下ろしてもらい、僕はそこのうどんを食って、迎えに来てくれた家族に乗せてもらい、家にたどり着いたのであった。
クソどうでもいい余談だが、この出来事以降、なんかPAとかフードコートとかが好きになってしまっている。
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