2024.4.29 ぼくと熊本地震その3

 それにしても、4月ももう終わりそうだというタイミングになってしまってる。 


 さて、熊本地震は一度目の地震のとき、これが本震であり同じくらい強い揺れが来るかもしれない、と言われていた。

 実際は、1回目は予震であり、本震が控えていたのだった。しかし当然、来るまでは真実は誰にも分からないからしょーがない。同じくらい強いのが来る、と予測できただけ人類は進歩してくれている、とありがたみを感じる。ぼくはなにも進歩していないが。


 2回目の地震は夜中に来た。ぼくはこのとき、遠方に住む友だちとSkypeを繋ぎながらマイクラ(PSVita版)をやって遊んでいた。これも懐かしい。SkypeもPSVitaもマイクラも今はやっていない。


 地震が来る。

 う、うわーっ!

 揺れる!


 ぼくは急いでコタツ机の下に避難しようとしたが、天板が射出されたようにスライドしてすっ飛んで行き、凌ぐ場所は無くなっていた。すると、どうすればいいか分からなくなる。


 ぼくが打った次の手は、とりあえず友人に「じゃ、一旦切るわ!」と言ってSkypeとPCを正規の手段で落とすことだった。揺れるなか、すっ飛んだコタツ机の天板に駆け寄り、Skypeからログアウトし、ちゃんと「シャットダウン」で電源を落そうとする。バカだ。さっさと避難しろ……!


 揺れる中外に出たのか、収まってから外に出たのか、そこは覚えていないが身の安全を確保しないまま無防備に揺れをやり過ごしたぼくは、避難所になっている近くの中学校へ行き、グラウンドで一夜を明かした。ブルーシートを避難者のみんなで広げ、部屋にいったん戻って毛布を取ってきて雑魚寝する。


 曖昧で、記憶違いがあるかもしれないが、このとき大西熊本市長(当時。2024年現在も現職)のTwitterアカウントが突如作られ、いろいろな情報提供がなされたと思う。これは非常に助けになった。そういうこともあり、ぼくはとっくに熊本から引っ越した今も大西市長のツイ垢をフォローしている。トラが脱走したというデマや、どこそこの橋が落ちたというデマ、どこだったかの市か町の庁舎がつぶれたという話(これはデマじゃなかった気がするが、いろいろな情報が混在してどうだったかよく覚えていない)が飛び交った。井戸に毒が撒かれたという、今はちょっとお決まりな気もするデマもあったんじゃなかったか。これには現場も大いに混乱しただろうが、錯綜とはとくに無縁のぼくはとりあえず家族と連絡し、地元に帰ることとなった。交通機関はむろん使用不可。選択肢は、タクシーだ。


 4月16日の朝、熊本駅に向かいタクシーで帰郷する。僕は、冷静に考えられるほど賢くも無く、心配になれるほどものをよく考える人間でもなかったので、ひとまずそこを目掛けて行動する以外は何も要らなかった。


 それにしても、この辺りの話こそ当時の日記を引っ張りだすべきだろうに、実家に置いてきてしまったもので、この馬鹿野郎~!という具合だ。無念。ちゃんと4月16日辺りで更新できず溜め(エタりかかり)となってしまってたのも無念。

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