第4話：さっそく俺の彼女ちゃん？、はや！！
さて辰也のマンションに転がり込んだ天女ちゃんの明日香美比売。
お世話になるからって、さっそく俺の彼女ちゃんになってくれるらしい。
お互いまだ恋すら芽生えてないのに？
そんなまどろっこしいことはいいんだって・・・。
明日香ちゃんがたった今から彼女だって言ったら、それで俺の彼女らしい。
で明日香ちゃんは毎日、ごろごろしてテレビばっか見ている。
「なんかさ・・・明日香ちゃん飯とか作れないの？」
「作れない〜」
「え〜、じゃ〜なにができるの？」
「セックス・・・エッチ・・・ラブラブ・・・性交・・・交尾・・・営み」
「どれでも・・・」
「どれも同じじゃないかよ」
「あのさ君って天界でそういうことする場所にいたりしたの？」
「なんで？」
「なんだかさ、そんな着物着て髪なんか結って吉原のおネエさんみたいじゃん」
「なに言ってんのか分かんない・・・私の知らないこと言わないの」
「だから、そんな格好してるから遊廓とかそう言うところで働いてたのか
なって思って、だからセックスが得意なんだろ？」
「当たってる・・・私は
「ん〜まあ天界も階層によるけど基本、酒池肉林な世界だからね」
「セックスなんて普通でしょ」
「俺もお願いしたら、させてくれるのかな？」
「それはどうかな〜・・・私、安売りはしないから・・・」
「天界で私を抱きたいと思ったら毎日続けて百回は日参しなきゃならないわね」
「しかも私、高給取りだし」
「ああ・・・そうなんだ・・・百回も・・・？」
「だけど、タツヤ君には私の彼氏だからね、考えてもいいかな？」
「ぜひともよろしく〜」
「ってかさ、疑うわけじゃないけど、まじで俺の彼女でいいんだよね」
「不満なの？・・・私じゃ不服？」
「いやいやそういうんじゃなくて・・・」
「お互い気が合わなかったら別れたらいいだけの話でしょ」
「あっさり言うね」
「情が湧いて別れられなくなるなったらどうすんだよ、不幸じゃん」
「なに言ってるの？」
「もっとさ、単純でいいじゃん・・・好きだから一緒いる」
「愛してるからエッチする・・・それじゃイヤ？」
「普通さ人間も天界の神様も私利私欲で繋がってるんだから・・・愛があるだけ
幸せだよ・・・」
「は〜〜〜？そりゃ明日香ちゃんのことは好きだけど会ったばかりの俺たちに
まだ愛なんかあるとは思えないけど」
「だって嫌いな男を彼氏になんかしないでしょうが？」
「人間だって天女だってそんなもんでしょ？」
「だいたい人間の男って卑怯よね」
「なんの話してんの？」
「昔の話だけどね・・・私のことじゃないんだけど・・・」
「その昔、天女が下界に降りてきて温泉で湯浴みしてたら通りがかった男が、
天女が脱いであった着物と羽衣を隠したのよね」
「ン？あれ？・・・その話どこかで聞いたことあるな」
「黙って聞け！！」
「でね、男に着物と羽衣を盗まれた天女は羽衣がないから天界へ帰れなくなったの」
「困ってたところに羽衣を盗んだ男がやってきて、優しくしてくれたもんだから
天女は男の家についてっちゃったのよ」
「でさ、下界で男と一緒になっちゃって、おまけに子供まで儲けちゃって」
「である日、男が隠してあった羽衣を天女が見つけちゃって、で天女は羽衣を
身にまとって天界へ帰っていっちゃったの」
「ね、人間の男って卑怯でしょ、天女を自分のところに留めておくために
ダマしたんだよ」
「まあ、たしかに・・・でもさ、生まれた子供をほったらかして天界へ
帰っちゃった天女だって薄情じゃないか？」
「それはいいの・・・今は人間の男の話してるんだから」
「そんな男ばっかじゃないよ」
「俺は、明日香ちゃんが天界に帰るって言っても止めないよ」
「え？・・・止めないの？・・・止めなさいよ、羽衣奪ってでも」
「私の彼氏なんでしょ？」
「羽衣なんかどこにあんだよ」
「だいいちそんなもの、なくたって好きな時に天界に帰れるだろ？」
「言ってることが支離滅裂・・・ハチャメチャなんだよ・・・」
「あれってインチキだよ、あんな布切れで空飛べる訳ないでしょ・・・そんなこと
できちゃうのは一反木綿くらいだよ」
「わ〜憎さげ言ってるよ」
つづく。
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