主菜

 浴室から出ると今まで着ていた衣服は無く、真新しい絹の下着とトレーニングウェアが揃えてあった。

「これらの衣服に着替えたら、こちらのお部屋へお進みください」

 ドアの向こうから良良の声がする。

 トレーニングウェアを着て次の部屋へ入る。

 服や下着のサイズはぴったりであった。きっと好好がの時に測ったのだろう。


 入った部屋は板敷の床と鏡張りの壁で出来たトレーニングルームであった。

「こちらでは、『主菜』を選んでいただきます」

「主菜は二種類出ますが、一つは決まっております」

「お客様はもう一つの主菜を選んでください」

「選びましたら、この部屋で軽くストレッチ運動をしてもらいます」

「ストレッチ運動は筋肉をほぐして柔らかくする効果があります」

「運動をした後の空腹は、料理への良い調味料になります」

「それでは、お選びください」

 いつの間にか良良と好好はレオタード姿になっていた。

 体のラインがはっきりと出た二人の姿を見ながらメニュー選ぶ。


 ―――― 本日の主菜その1 ――――

 グリフォンの掌

 ドラゴンの唐揚げ

 麒麟の羹

 八岐大蛇のチリソース

 天狗の鼻

 ―――― 本日の主菜その2 ――――

 ◎◆△★の活き造り


 相変わらず訳がわからない。その2に至っては、書いてある文字さえもわからない。

 もういいや! 『八岐大蛇のチリソース』しよう!

「決まりました! 『八岐大蛇のチリソース』でお願いします!」

「かしこまりました、ではお部屋の真ん中に立ってわたくし達の動きを真似てください」


 レオタード姿の良良と好好はそれぞれ右と左の斜め前に立ち、ゆっくりと体を動かし始めた。いつの間にかゆったりとしたテンポの音楽が流れていた。

「それ! ワン! ツー! ワン! ツー!」

 テンポに合わせて二人は体を伸ばしていく。

 それを真似て体を伸ばす。入浴したせいか、意外に体が柔らかくなっていた。

「それ! ワン! ツー! ワン! ツー!」

 音楽のテンポは段々速くなり、二人の動きが激しくなった。

「ワン! ツー! ワン! ツー!」

 目の前や鏡に映る二人の姿に釘付けになった。

 細身の長身でしなやかな肢体の良良、豊満な肉付きでボリューム満点な体の好好。

 細身でも出る所は出て締まる所は締まっている良良の身体。

 すらりと伸びる手足に薄っすらと浮き出ている汗の輝き。

 控えめな二つの膨らみに浮き出る小さな突起。

 股の付け根に表れる一筋の小さな谷間。

 

 激しい動きに過剰に反応する好好の肉体。

 上下左右に自由自在に動き回る豊かな乳房と尻肉。

 足の動きに合わせてのたうち回る太腿。

 弛んでいるようで引き締まっている腹の筋肉。

 薄い布地で隠していても隠しきれていない胸と尻の深い谷間。

 どちらを見ても美しくて淫靡な姿であった。

「これは、別の意味で『』になるな」

「早くこの二人の体を味わいたいなぁ……」

 そんな事を考えているうちに、トレーニングの時間は終わった。

 二人はタオルで体の汗を拭いてくれながら案内をしてくれた。

「では、次のお部屋へ……」

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