第38話 サバト明け(笑)
予想通りと言うか…
いや(困)
『思っていたよりも20%程想定を超えていたな…』と、自分の憶測の甘さを痛感し後悔する太郎(汗)
まさに死屍累々とはこの現状を言うのかもしれない…
何故なら今新居のリビングには、華恋を含む女性陣が思いっきり露わな格好をさらしながら高いびきで転がって寝ているからだ(汗)
実は華恋達は太郎や冴子が呑む為に用意していた度数の強いシャンパンを、ノンアルコールシャンパンと間違えて呑んでしまった。
しかも太郎や冴子がそれに気付いた時には既に何本かカラになっていたからさぁ〜大変(汗)
いきなり笑い出すは、泣き出したりするは…
挙げ句の果てに冴子まで…
「あ〜暑い〜〜♪♪》」
と言いながら脱ぎだすしまつで…
それを見た華恋達も皆脱ぎ出したかと思うと、そのまま《バタンキュ〜》でその場で寝てしまったのであった。
おそらく羞恥心と言う言葉は遠い宇宙の彼方にある某惑星へと旅立っているのだろう(笑)
只、自分が用意した料理を根こそぎ平らげているだけでも救いなのかもしれないと、無理矢理自分を納得させてこの惨状を見なかった事にする太郎。
父親と一緒に組み立てたあの立派なテーブルの上に広がる光景を見てそう自分を言い聞かせた彼は、見方を変えれば男性にとって性欲を掻き立てられるその場に一枚のメモを残し静かに仕事に向かって行ったのだった。
【華恋さんへ】
臭うのでゴミだけはまとめて捨ててくださいね
後、二日酔いの薬は買ってありますので
それと皆さん冴子さんは別として
うっかりとはいえ飲酒したのは反省しましょうね
自分も気付くのか遅かったのは反省しています
では行ってきます
太郎
《P・S》
台所にお粥を用意しています
食べれるようなら温めて皆で食べて下さいね
メモにはそう書かれていた。
そしてその日の夕方…
「早田主任、今日予定していた企業への挨拶周りは後いくつ残ってる?」
「え〜皆今日の分は終りましたから、後は諸星と東が帰社するだけですね」
太郎がまとめる猫丸産業第二営業部は、今年もつつがなく年末の挨拶周りを終わらせていた。
業務や事務処理自体も午前中手分けして終わらせており、明日へ持ち越す案件も無い。
「了解、北都さんの方は?」
「ハイ、こちらも殆ど終わっていますから明日は予定通り午後から大掃除に取りかかれますよ♪」
書類を整理しながら笑顔でそう答える北都。
そしてよく見ると周りの部署の面々は既に全員帰っており、結果今オフィスにいるのは第二営業部のみとなっていた。
すると…
「課長買って来ましたよ〜♪」
どうやら買い出しに出掛けていたのだろう…
剛が両手にコンビニ袋をぶら下げて戻ってきた。
「ん?何だか量が多い気がするけど…お金足りなかったんじゃないのか?」
「それが出掛ける時にエレベーターの所で鬼無里本部長に会いまして、打ち上げの足しにと一枚(一万円)カンパされたんですよ♪」
四袋あるコンビニ袋を机に置きながらそう報告する剛。
「なんだそういう事か、それなら後で自分の方からお礼を言っておこう」
「お願いします♪あ、北都さんこれお釣りと領収書」
「ハイ確かに♪」
そんなやり取りをしている時…
「お疲れ様です」
「ただいま帰りました」
諸星と東が帰社してきた。
どうやら何事も無く無事に挨拶周りが終わったらしい。
「お疲れ様、じゃ〜早速だけど始めようか」
早田の号令の元、皆で手分けして各々好きな飲み物やツマミを広げるた第二営業部の面々。
年末恒例の打ち上げである。
本来なら居酒屋等でやるのだが、以前流行したウイルス性疾患がきっかけで、第二営業部は社内でこじんまりとやるようになったのだった。
「課長、後はお願いします」
「では改めてお疲れ様です、今年も無事業績も伸び良い年末を迎えることが出来ました、これもひとえに皆の頑張りのお陰です♪ありがとうございます」
そう言いながら頭を下げる太郎。
「後一日ありますが、皆油断しないで最後を締めくくりましょう、では乾杯♡」
「「「「かんぱ〜い♡」」」」
それから約一時間強…
時計のデジタルが十九時を過ぎた頃である。
「じゃ〜皆そろそろお開きにしようか?」
太郎のその一言に全員頷くと、その場を後片付けして帰り支度をする面々。
その後…
お土産片手に太郎が自宅へ帰ると…
「タッくん本当にゴメンだし!!」
開口一番、玄関先で華恋の土下座からの謝罪から始まったその日の夜…
「え?え?なに?別に謝る事なんてあったっけ?」
「あるあるじゃん!奥さんとして恥ずい事しでかしたし!」
「ん?あ〜〜あの事(笑)」
要は夕べの醜態の事である。
「朝だってタッくんが出社したの気づかなかったし、裸で雑魚寝してたし…もう〜真っ赤になったし!!」
そう言う華恋は本気で反省している様で、珍しくノーメイク&涙目だった。
※ちなみに華恋のノーメイクも可愛いと思う太郎だった♡
「でも華恋さん…楽しかったでしょ?」
「え?…ウン…楽しかった…」
今だ土下座をしたままの彼女目の前に両膝を付き目線を合わせると、優しくゆっくりと話しかける太郎。
華恋もそんな太郎の目を見ながらゆっくりと彼の質問に答えた。
「お粥は…どうでした?」
「美味しかったし…皆も美味しいって言ってた…」
「じゃ〜良かったです♪それでいいじゃないですか」
「でも…」
「自分も楽しかったですよ♪なんだか小さい頃のクリスマスを思い出しました♡」
「タッくん…」
「だからまた…集まって騒ぎましょうね♪その時も腕を振るいますから♡」
「タッく〜ん♡ラヴだし〜〜(号泣)」
そう言いつつ涙でグチャグチャになりながら太郎に思いっきり抱きつく華恋。
次の日…
改めて第二営業部の課長として仕事収めの挨拶をする為ブティックHANAKOを訪れた太郎。
そうなんだけど…
ここでも再び華恋以外の女性陣から土下座され困り果てた彼は…
『何気に流行ってんのかな?土下座…(汗)』
そんな事を心の中で呟きなからひたすら恐縮する太郎(笑)
そして直ぐ様皆の痴態を記憶から消去事を誓うのであった。
…続く…
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