第34話 刻々と刻々と…

と言うわけで〜

当事者そっちのけとは流石に言わないが、結構それに近い形で勝手に結婚式の段取りがつつがなく進行していく太郎と華恋(笑)

十二月に入るの頃には結婚式場と結婚式の日取り、そして新婚旅行先が決まっていた。

先ず式場は今年の夏にモーター・ショーを行ったあの《DREAM・ CITY ・STADIUM》の近くに新しくオープンした《ARCADIA・GARDEN・HOTEL》に決まった。


これは凛夜達が持ってきたパンフから選んだのだが、実際二人で見学してみて、華恋がすこぶる気に入ったから最終的にそこに決まったのだった。

ただ予約状況や二人の仕事の都合等で式の日取りは三月十五日土曜日…

約三ヶ月後となっていた。

本来なら半年後とかそれ位は期間をとるのだが、担当のウェディングアドバイザーが若菜冴子の娘の結婚式と聞いた途端、大安吉日でしかもその頃何時も桜の花が満開になるらしいこの日を用意してくれたそうだ。

後に…

「これを聞いたらママってば絶〜対ドヤ顔キメるし(笑)」

と華恋は言っていたが…

まぁ〜その通りだった(汗)

しかも時代遅れなダブルピースまで職場でかましていたらしい…


それと新婚旅行先は、かねてから華恋のリクエストがあったハウステンボスと長崎バイオパーク、おまけに海響館といった長崎観光に決定した。

これに関してはあの日確約した通り、猫丸社長が直々に旅行代理店に手を回したらしく、結果かなり素敵なHOTELをチョイスしてあるそうだ。


「まだまだ衣装合わせとかの打ち合わせもあるけど、後は招待客リストの作成が急務だね」

リビングにあるソファーを背もたれに、二人並んで腰をおろす太郎と華恋。

その手には、お互い来賓客のリストが各々握られていた。

「十五日までにっしょ…それ〜大変だし〜」

「え、何で?かなり出来てると思うけど…」

確かにリストのチェックは終わっている筈である。

しかし…

「そりゃそうだもん…だって、最近夜の性活してないじゃんか〜(泣)」

『あ、そういえば確かに…(汗)』

そんな華恋のセリフに嫌な予感を感じずにはいられない太郎(笑)

「何気に愛が足りなくない?タッくん…華恋さんは最の高に欲求が不満してるし…」

するといつの間にか下着姿で身を寄せてくる華恋(汗)

本当にいつ脱いだのだろう?

「ご、ゴメン(汗)」

「反省…してるん?」

「ハイ、反省してます…」

「マジ?」

「ハイ、本当です…」

「じゃ〜許すし♡」

「え?え?華恋さん?」

ここまでの話の流れの中で、華恋のみならず何故か太郎も何も身に着けていない。

しかも彼自身、自ら脱いだ記憶も無かった…

「だったら有言実行〜男なら態度で示すし〜♡♡♡」

「ちょ、ちょっと華恋さん(汗)」

「聞こえないし〜〜〜♪」


そう…

さながら雌豹がちょっと銃身がエグいコルトパイソン357マグナム改を突き立てている狩人に向かって、正面から奇襲をかける様に覆いかぶさる華恋(笑) 

しかし!

秒で軽く逝った後、続けざまに追加攻撃を受け、あえ無く何度も撃沈する華恋だったのである。


そして次の日…

そんな二人を暖かく見守る様な冬の合間の昼下がり♡

ここブティックHANAKOでは…


「いいかてめぇ〜ら!命ってのはな〜賭けどころってのがあるんだ!覚えておきな♪♪」

「賭けどころって…そんなもん解んねぇ〜よドゥモワーのダンナ!!」

「あ〜?解らねぇ〜なら今直ぐ説明書でも読んどくんだな(笑)」

「説明書〜?」

「持ってんだろ?持ってなきゃその辺に転がってるから拾っときな♡」

※番宣ですスミマセン…


「う〜〜やっぱカッケェーし、ドゥモワー♡」

「何見てるん?」

凛夜と麻音と交代で先に昼休みをとった華恋と茅野。

二人共お弁当だったからか、スタッフルームで各々食後に読書を楽しんでいた。

ちなみに茅野は…

「【異世界物語外伝〜ドゥモワーの牙襲】♡」

そして華恋は勿論ブライダル雑誌だった。

「カーヤ好きだもんねドゥモワー♪」

「ヘヘへ♪」

華恋は目を♡マークにしている茅野の覗き込みながらそう言うと、彼女は照れながら頬を掻きながらそう答えた。

どうやらワイルドで俺様系で本能に忠実な色欲魔神がタイプらしい(汗)

※ついで言うとおバカさんなんだけど…


華恋は雑誌を閉じ棚に戻すと、そんな茅野を残して先に店に出た。

「ありゃ、ハナっちお昼もう済んだの?」

「ウン♪オリンもマッちんも後は自分するから置いといて良いし」

「じゃ〜そうしようかしら♡マッち〜ん食べに行こうか?」

「《葛葉》のバジルソースのスパサラが食べたい♡」

【喫茶葛葉】

サンドイッチとトロフワオムライスが美味しいと評判のお店で、食いしん坊な麻音お気に入りのお店の一つである。

おそらく彼女はそれも食べる気だろう(汗)

「了解♡」

店内の商品の陳列をしていた凛夜と麻音は、華恋にそう促されると、二人で外に食べに出掛けていったのだった。


そして…



…続く…











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