第29話 引っ越し終わりのイクシード

その後は怒涛の連続だった。

新しく買い足した家電や日用品、テーブルや収納ラック等の配送受け取り、設置手配等の他…

以前華恋が住んでいた賃貸を解約したり、住所変更の様な届け出が必要な事を休みの日に手分けして各役場に出しに行ったり等など。

あ、婚姻届もその際出して籍を入れての事でだ。

つまり今は《若菜華恋》改め《山田華恋》なのである♡


仕事面では…

太郎は猫丸社長や鬼無里本部長の攻撃(からかい)を交わしつつ、第二営業部&取引先のお得意様面々からの追加攻撃(からかい)もかいくぐり、新規案件を光の速さでこなしていた(笑)

華恋は凛夜達とのギャルトークや新妻トーク(アダルティな話も含)に華を咲かせながら、経営やデザイナーとしての研鑽を積む為、多忙な毎日を送っていた。


勿論華恋のエキサイティングな夜の強行突破も有りである♡♡♡


そんなこんなでお互い仕事が休みの日に各々引っ越し荷物の片付けをやっていった結果…

あれから二十日後の夜ついに!

「終わり〜♫♫♫」

喜びのハイタッチを交す二人♪

「頑張ったね華恋さん♡」

「タッくんもお疲れ様♡」

無事引っ越しが完了したのだった。


予定通り屋根裏部屋は、秘密基地の如く積みプラと作業&展示場所となり、七畳の部屋はミシンやハンガーラックの他、さながら漫画家のデスクの様な机と道具が置かれていた。

ロフトの方も彼女の作業用の材料(主に生地等)が綺麗に整理され置かれている。

残りの洋間は寝室と華恋の個室(鏡台や私服等がた〜くさん)&太郎の仕事兼私室部屋に振り分けられ、和室は客間としてセッティングした。

ダイニングキッチン&リビングは太郎が奮発した大型ビジョンのテレビやブラウン色系冷蔵庫類を筆頭に、この際だからと今まで欲しいと思っていた家電を色々と買い足し揃えて設置した。


ちなみに…

華恋命名 《ブルちゃん(ブルブルマシーン)》の様なダイエット・マシンも、嫁入り道具として前のアパートから持ってきており、今はリビングの片隅を陣取っている♡

後…

マッサージ機と称した華恋自前のアダルトグッズ等も寝室の片隅にあるミニタンスの中にあったりする(汗)



「ねぇねぇタッくん、ベランダの花壇には何か植えたりするん?」

引っ越し作業が終わり、太郎が入れてくれたミルクティーをリビングで嗜みながら、テーブルの向かい側座る彼にそんな事を尋ねる華恋。

「う〜ん、そうだね…土も配合して整えたから花や野菜も植えられるし…個人的には今なら菜花とかアイスプラント、マメ科の野菜もいいかな〜後…スイートピーとかの花も植えてみようかな〜」

その結果、太郎の起床時間が早くなるのは目に見えているのだが、本人は気にしていないみたいである。


結婚したからというか、華恋と出会って一緒に暮らし始めてから、意識的な物やトラウマ等もそうだが、確実に生活リズムや習慣も含め、良い方向へと向いている太郎。

以前の怠惰なプライベートが嘘の様である。

それが証拠に体型にもその結果が顕著に現れている様だ。

※夜の生活が激しいからではないかと関係者は口を揃えて呟いているのだが(笑)


華恋も然り、同じだった。

先ずストレスの度合いが段違いらしい。

若さ故の焦りというか、以前の彼女ならコンテストでの結果が思う様な成果を挙げられなかった事でモチベーションを挙げられずふてくされて、次に繋げる前向きなリアクションをなかなか起こさなかっただろう。

それに食生活が激変した事で偏食が減り、健康的になったのと、プロポーションが自分の理想に近づいているらしい。

まぁ〜

とどの詰まり二人共結婚した事が色々とプラスになっているのである。



「ナバナ?アイスプラント?」

「ナバナは食用の菜の花、アイスプラントは…ほら、前にサラダで食べた葉っぱに水滴みたいなツブツブがついた…」

「あーアレ♪初めて食べたけど美味しかったし♡」

「そうそう♪」

「それとナバナと菜の花ってば違うの?」

「うん、本来菜の花は在来種の花で、菜花はセイヨウアブラナ科って言う品種改良されたものなんだよ」

「へぇ〜タッくん詳しいじゃん」

「だって実家は農家だしね」

褒めらる事に慣れていない太郎は、そんな華恋のストレートな言葉に照れて赤くなってしまった。

そのリアクションを《可愛ゆす〜♡》と心の中で呟く華恋♪


その時彼女はある重大な事を思い出した。

「あー!そういえば〜タッくんの御実家へのご挨拶どうするん?」

どうやらまだらしい…(汗)

そろそろヤバくはないたろうか?

「ん〜結婚式の準備とかもそろそろ考えなきゃいけないけど…やっぱり寒くなる前に行っとくかな〜」

と言いつつ、太郎は何故か余り乗り気ではない様子だが…

「そうするし〜♡うちの来月の連休が決まったらその日に行こう♫」

「泊まりで?良いけど…かなりの田舎だし、何も無いよ」

「良いの〜♪お爺ちゃまやお婆ちゃまって〜うちにはいないから何気に楽しみだし♡」

「…解った、休みが決まり次第顔を出そうか」

「ハイな♡」

それでも華恋に促されて実家に顔を出す決心をする太郎。


…何だけど…


「…で、何故に脱ぐのかな?華恋さん」

ここでいきなり下着だけになる華恋…

「何故って…明日お休みだから♡」

どうやらそうらしいんだけど…

「休みって…こっちは違うんだけど〜(汗)」

ちなみに明日は朝イチで会議の太郎…

「リベ〜ンジ♡」

あ、なんか根に持ってるらしい…

「ちょ、ちょいまち華恋さ〜ん(涙)」

襟首を優しく掴まれ引きずられていく太郎…

「ん〜〜聞こえないし〜♡」

その声を無視して寝室の闇の中へ向かう華恋…

その闇の中を、いつの間にかピンクの灯火が照らしている(汗)


実は…

初めての日から今日まで、ただの一度も太郎よりも先に逝かなかった日が無かったりする華恋さん(笑)

それも日に日に乱れ方が激しくなり、痴態を曝す羽目にプライドをくすぐられているらしいのだが…

当然今回も完膚なきまで返り討ちにあったのは言うまでもなかったりする(笑)



…続く…

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