第11話

前のお話に1話分の追記をしました。是非、そちらを読んでからこの話をお読みください。

一月十日追記

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とりあえず、神之門さんに案内してもらうことにした。


トイレはもちろん、食事部屋から景色が綺麗見れる場所、そして裏門の位置まで。


特に裏門の位置は念押しに。


「ありがとうございます。」

「…それで…帰らないの?」


ほんと、いい人だ。なのに何で…


「はい、用事があるので。」

「用事…?」


コテっと可愛らしく首を傾げる神之門さん。

同じ銀髪のせいか、無意識に仲間意識が芽生えてしまう。


「ここの神社に参拝する事もそうなんですけど、冬休みの宿題で神社の事についても調べたくて。それでこの村の神社に来たんですよ。」


もちろん、これはカバーストーリー用に作った出鱈目だ。そもそも学校にすら入学して無いのだ。


「…………………」

「?神之門…さん?」


神之門の顔が、歪む。

さっきの高橋さんの様に。何かに気づきたくないかのように。


「どうしたの?」

「…分からない。」


恐らく、気がついているんだろう。

けど、もしそれを言ってしまった場合、何が起こるか分からない。


「…そう言えば…君の名前は…?」

「…そういや言ってなかったっけ。」


今気づいたら、ここに来てから誰にも自分の名前を教えてなかったな。

さて、どうしようか。本名にするかしないか…

あ、そうだ。これで誰が原因なのか分かるかもしれない。

『自分が渡した情報が誰に行ったのか一人分だけ分かる魔法』っと。


「無常だよ。無常仮寝。けど、他の人たちには秘密ね?」

「…うん…わかった…」


こんな事は考えたくないけど、もし僕の想像通りなら…



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夕飯の時間となった。

神之門さんに夕食を食べる所まで案内してもらう事なった。


障子を開け、畳を踏む。

高橋さんはもちろん、今劇さん、他の人達も。


他の人達に倣って案内された席に正座して座る。

並んでいる料理は…精進料理というやつだろうか?


「これは、精進料理ですか?」

「ええ、そこの高橋が作りました。では、いただきま「その前に、少し良いですか?」え、はい?」


その瞬間に『鑑定』と重式『索敵』でこの部屋全体を隈なく調べた。

…あった。


「え、今何かすごい魔法使いましたか?」

「…へぇ。何で気づけんの?」


魔力を感知するには2種類ある。


1つ目は『魔力を探知をする魔法』や『魔法を感知する魔法』といったアタリの中でもSSRな魔法で感知する方法。


2つ目は莫大な魔力を持つという方法。

無意識に魔力が洗練されていき、魔力感知ぐらいならどうって事はないわけだ。


そして、今劇さんは魔法を何らかの方法で感知した。

先程の『鑑定』でみた情報を整理していく。


『今劇慎治

MP35/35

所持魔法

『瞬きをするとカシャッと音がなる魔法』『四足歩行の移動速度を上げる魔法』『会話の中で「ちくわ大明神」と言いたくなる魔法』『大便を出す際、すぐに出てくる魔法』『全身からカメムシの臭いを放出する魔法』『自分に尿管結石の痛みを味わせる魔法』『相手の喋り方を五七五にする魔法』』


「クソカス魔法ばっかじゃねぇか。やっぱり、そのか。」

「ッ!?」


神主の顔が強張り、すぐさま敵意を向けてくる。


「…なぜ、わかった?」

「さあな、後で教えるけどその前にさ。」


隣に座って何が何だか分からない神之門の手を引き、障子を蹴破る。


「とりあえず場所移動しようぜ!話はそれからだ!」




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