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目次
金鉱
金鉱から歌が聞こえる
キンコン カンコン
コンカン キンコン
働く男たちの
笑い声も聞こえる。
土に汚れた四角い顔と
乱れた髭が目に浮かぶ
でもね 金鉱の入り口には
だあれも立ってないんだよ
金が山と積まれた無人のトロッコが
定期的に出てくるだけ
取りに来る人もいないから
金鉱の前はトロッコだらけ
近所の人も
金鉱のことは
何も知らない
そう思えば自分だって
金鉱のこと
働く男たちの顔だって
見たことも無いな
そういえば音とトロッコだけだね
金鉱が存在している
証拠になるのは
それだってユラユラで
アイマイな証拠じゃない？
それに野ざらしの金を
奪おうとする奴もいないじゃない？
そもそも本当にあれって
金鉱なのかな？
自分は良く知りもせずに
金鉱って呼んでるだけなんじゃない？
金鉱はずっとリズムを乱さずに
同じ歌を歌っているよ
僕だって同じようにこんな歌を
口ずさんでいるのかもしれないんだ
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