【第四章:山川聖香(1)】

田畑太一郎(たばた・たいちろう)は、いつものドーナツ屋さんで渡邉哲郎(わたなべ・てつろう)を待っていた。テーブルには、さっき注文したアイスコーヒーと紙袋かみぶくろが置いてある。アイスコーヒーはブラックで、紙袋の中にはドーナツが二つ入っている。


アイスコーヒーをストローで飲みながら、田畑太一郎は坂井かなえ(さかい・かなえ)が言っていた高野恵美子(たかの・えみこ)のセリフを思い出した。


『彼は事故で亡くなったんじゃない。殺されたんだ。』


田畑太一郎の心の中で、その言葉がかえされる。


「高野恵美子は何かの事件じけんまれたんだろうか。」


ひとごとのように、田畑太一郎は頭にかび上がった疑問ぎもんを口にし、それをきっかけに彼の思考しこう加速かそくした。


彼女の婚約者こんやくしゃがもし本当に殺されたとして、今また高野恵美子も殺されたとしたならば、高野恵美子が殺された理由は婚約者が殺された理由と同じかもしれない。


高野恵美子が倒れていた場所は密室みっしつではなかった。あの会議室のドアはかぎがかかっていなかったし、高野恵美子がたおれていることに気づいたあとは、ドアの鍵をかけないまま守衛室しゅえいしつに三人で行った。


ドアに鍵をかけなかったことは、自分自身じぶんじしん確認かくにんしていた。高野恵美子が倒れているところをじっくりと見たわけではないが、彼女はどちらかと言えば、小柄こがら体型たいけいだった。


だから、自分たちが守衛を呼びにいった五分とか十分とかという短い時間であっても、高野恵美子の死体をあの会議室から移動させることは十分じゅうぶんに可能だ。もし犯人が男性ならなおさら容易よういだっただろう。


とすると、犯人はあの近くにいたということか?でも待てよ、あの日、自分たち三人は、座談会ざだんかいの会場であったT大学の西棟にしとうでは誰にも会わなかったはず。犯人はどうやって俺たちが会議室に来ることがわかったんだろうか。足音か?いや待てよ、俺たちが来たから会議室から出たというよりは、たまたま犯人があの場にいなかったときに、俺たちが会議室に入った可能性もあるのか。でも、そんな偶然ぐうぜんはあるのか。そもそも、高野恵美子が殺されたという仮説かせつ間違まちがっているんだろうか。


「・・たくん、・・・田畑君?」


田畑太一郎がわれかえると、いつものバックパックをかたにかけた渡邉哲郎が横に立っていた。


「え?あ、渡邉さん。あ、すみません。ちょっと考えごとをしてました。すみません。」


「はは、おどろかせちゃったかな」と、いつもの人の良い笑顔を顔に浮かべながらそう言って、渡邉哲郎は田畑太一郎の前に座った。渡邉哲郎は今日もドーナツ屋では何も買っておらず、椅子いすに座ったあとで、バックパックの横にいれていた水筒すいとうをテーブルの上に置いた。


「で、どうしたのかな。難しい顔をしてブツブツとひとごとを言ってたけど、大丈夫?困ってることがあったら相談そうだんるよ。まあ、僕じゃあんまり役に立たないんだけどね。」

「あ、大丈夫です。すみません、渡邉さんが来たことに気づかなくて。あと、今日も突然とつぜんのお願いだったのにお時間を作ってもらってもうわけないです。」


この日の会合かいごうは、土曜日の『座談会』が中止になったことを田畑太一郎がメールで渡邉哲郎に伝えたときに、中止になった経緯けいいとその場の状況を直接ちょくせつつたえたいということで、田畑太一郎が渡邉哲郎に時間を作ってほしいとお願いしたことで実現じつげんした。


「全然大丈夫だよ。座談会、大変だったね。君に全部ぜんぶ丸投まるなげしてしまって申し訳なかったなって思ってたんだ。」

「いえいえ、そんな、とんでもないです。」

「で、何があったの?」

「えっとですね・・・、ちょっと自分でもどうやって説明せつめいしたらいいかわからないんですけど、話を聞いてもらってもいいですか?」

「え?もちろんだよ。ちょっとややこしいことがあったの?メールでは、当日に予定していた全員ぜんいんが集まらなかったって書いてあったけど。」

「はい。高野さんがその場に来なかったんです。いえ、来てはいたらしいんですが、いなくなったんです。」


自分でも何を言っているのかよくわからなくなったのか、田畑太一郎はアイスコーヒーをんで少し気持ちをかせようとした。そして、かるいきいてから、ふたたび話しはじめた。渡邉哲郎は、そのような田畑太一郎の仕草しぐさを、口をはさまずに静かに見守みまもっていた。


「すみません、ちょっとわかりにくくて。少し長くなってしまうんですけど、じゅんって説明せつめいさせてください。」

「うん、大丈夫だよ。僕の方の時間は十分にあるから、落ち着いてゆっくり話してね。」

「はい。ありがとうございます。えっとですね、土曜日、自分と真中さんはT大学の近くのタイ料理屋さんでランチを一緒に食べたんです。」

「あ、あそこのパッタイ美味しいよね。」

「え、ごぞんじなんですか?」

「うん、何回か行ったことあるよ。って、話をさえぎってるね。ごめんごめん。もう邪魔じゃましないから、話を続けて。」


そう言って渡邉哲郎は持ってきた水筒すいとうに口をつけた。


「あ、はい。いえ、別にさえぎられた感じは全然ぜんぜんしないので大丈夫です。で、ランチのあと、真中さんと一緒にT大学に行ったんです。本当は、かなえさんとは建物たてものの中で会う予定だったんですけど、建物に入るまえに彼女と合流ごうりゅうしたんです。」

「かなえさんって、坂井さんのこと?」


「えっと、あ、そうです。すみません。」と、田畑太一郎はちょっとずかしいような気持ちになった。そして、顔が赤くなっていないかとかる不安ふあんになった。


「あ、ごめんごめん、話をまた中断ちゅうだんさせてしまったね。で、座談会はたしか西棟にしとう会議室かいぎしつだったよね。」

「はい、そうです。あ、そうか、渡邉さんには座談会の会場となる会議室の場所をメールでお伝えしてたんでしたよね。」

「うん。田畑君が他の参加者と座談会に関するメールをしているときも僕のメールアドレスをCC欄に入れてくれてるから助かるよ。」

「たくさんのメールが渡邉さんのところにとどいてしまってすみません。」

「ハハハ。そんなことないよ。そういえば、あそこのT大学の西棟って古い方の建物だったよね。」

「え、ご存じだったんですか?」

「前に野暮用やぼようでその建物に入ったことがあったからね。でも、東棟ひがしとうはきれいなんだよね。」

「はい。くわしいんですね。」

「いやいや、知ってるのはそのくらいだよ。」


「そうなんですか」と言って、田畑太一郎はアイスコーヒーのカップのふたにささっているストローを口にした。


「あ、その紙袋かみぶくろはドーナツ?僕のことは気にしないで食べてね。」

「ありがとうございます。今は大丈夫です。すみません、お気遣きづかいいただいて。」


全然大丈夫だよ、という感じで笑顔で軽く首をって、渡邉哲郎は再び水筒すいとうに口をつけた。


「それで、かなえさんと合流ごうりゅうしたあとで、三人で建物の中に入ったんです。あ、でも、最初は東棟に行きました。座談会の時間には少し早かったので、その前にちょっとかなえさんの研究室を見学をさせてもらっていました。」

「そうなんだ。それはよかったね。あっちの建物の研究室はどこもきれいだよね。」

「はい。で、そのあとで西棟の会議室に行きました。」

「下までりてから西棟に行ったの?たしか、あそこって連絡通路れんらくつうろがあったようなおぼえがあるけど。」

連絡通路れんらくつうろとおりました。」

「高い方?」

「あ、はい。たしか六階のフロアだったように記憶きおくしてます。で、西棟の会議室にいたんですけど・・・」


そこまで話をして、田畑太一郎はよどむ。


その様子を見て渡邉哲郎は、「さっき、『来てはいたらしいけどいなかった』、みたいなことを言ってたけど、それって会議室に高野さんがいた形跡けいせきはあったけど、田畑君たちが入ったときにはいなくなっていたってこと?かばんとかが置いてあったのかな?」と聞いた。


「いえ、実は・・・」と言ったが、やはり田畑太一郎はそこでだまんでしまった。しかし、渡邉哲郎は今度は何もいかけずに、田畑太一郎が話し出すのを待っていた。


「えっと、すみません、なんかうまく話ができなくて。」

「全然大丈夫。何か予想よそうもしてなかったことが起きたんだね。ゆっくり話してくれればいいよ。」

「すみません、ありがとうございます。えっと、実はですね、その会議室には一番最初にかなえさんが入ったんですが、かなえさんは高野さんがいないということで、高野さんの研究室に呼びに行ったんです。」

「高野さんの研究室とその会議室は近いの?」

「あ、どうでしょう。自分は高野さんの研究室には行ってないのでわからないんですけど、呼びに行ったかなえさんはすぐに戻ってきたので、同じフロアの近い場所にあるんじゃないかと思います。」

「そうか。」

「ただ、かなえさんが呼びに行ったあとで、自分と真中さんが会議室に入って、そこで高野さんが来るのを待とうということになったんです。だけどすぐに、真中さんがだれかがたおれていることに気づいたんです。」

たおれてた?それが高野さんだったの?」

「はい・・・。」

「高野さんは大丈夫だったの?」


その問いかけには、田畑太一郎はすぐには答えられなかった。その様子を見て、渡邉哲郎は何かをさっしたのか、「ま、とりあえずドーナツを食べなよ。僕も持ってきたどら焼きを食べるから」と言って、自分のバックパックからどら焼きを出した。


「え、どら焼きですか?どこで買ったんですか?」


「日本から遊びに来てくれた友人がお土産みやげでくれたんだ。おいしいんだよね、ここのどら焼き。実はもう一つ持ってきたから、田畑君もどう?」と言って、渡邉哲郎は自分のバックパックからもう一つのどら焼きを出して、田畑太一郎の前に置いた。


突然とつぜんのことに戸惑とまどいつつも、田畑太一郎は「すみません、いただきます」と言って、それを手にしてつつがみを開けて一口ひとくちかじった。


「あ、美味おいしいですね、このどら焼き。」

「でしょ?こっちはこういう美味しい和菓子わがしがなくて困るんだよね。」

「ここのドーナツよりずっと美味しいです!」


「はは、そのセリフ、ここの店員てんいんが日本語を理解りかいできてたらちょっと問題だったね」と言って渡邉哲郎は笑った。


どら焼きを食べて少し落ち着いたのか、田畑太一郎は話の続きをする意思いしかたまり、再び話しはじめた。


「倒れていたのは高野さんだったんですけど、そのときは真中さんも自分も彼女が高野さんだったとは知らなかったんです。でも、その直後にかなえさんが会議室に戻ってきて、倒れている人が高野さんだと判明はんめいしたんです。」


渡邉哲郎は何かを聞こうとしたが、それを口にすることはせずに、田畑太一郎の話の続きを待った。


「自分は高野さんの顔の表情が見にくい場所にいたので、どんな感じかわからなかったんですが、かなえさんと真中さんは、高野さんの表情がよく見える場所にいました。で、その二人の様子からは、おそらく高野さんはもうくなっているような印象いんしょうを受けました。」

「それは・・・大変だったね。すぐに警察けいさつとか呼んだのかな?」

「いえ、それがですね。守衛しゅえいさんをびに行って会議室にもどってきたら、高野さんはいなくなってたんです。」

「え、どういうこと?」


田畑太一郎はアイスコーヒーを少し口にした。そのアイスコーヒーは、入っていた氷がとけて、ほとんど水のようになっていた。


「すみません、わかりにくくて。えっとですね。高野さんが倒れているのを見つけたので、とりあえず三人で一階にりて守衛さんを呼びに行ったんです。」

「その場では『911』に電話しなかったんだ。」

「今にして思えば、その場で電話をして、そこからはなれるべきではなかったかなと思ったんですが・・・。ただ、こんなことを言うはよくないんですが、あの場にずっと居続いつづけるのはちょっとこわかったんです。それに、気味きみが悪かったという気持ちがなかったとも言えません。本当にずかしいんですが・・・。」

「いや、わかるよ。で、そのときまわりに誰かいた?一階に降りていったとき、誰かを見たりした?」

「え?あ、えっと、誰も見ませんでした。」

「そっか。で、守衛さんと一緒いっしょもどってきたときには会議室はからっぽだったんだね?」

「はい。あ、でもかぎはかかっていました。」

かぎ?」

「ええ、自分たち三人が会議室を出たとき、ねんのためドアを閉めておこうということになったんです。でも、そこの鍵は誰も持ってなかったから、鍵はかけなかったんです。」

「ドアをめたのは誰?」

「自分です。あ、オートロック的な感じではなかったし、ドアをしめたあと、鍵がかかってないことはきちんと確認しました。それは自信あります。」

「あ、うたがってるわけじゃないよ。ごめんね。気を悪くしないで。」

「全然大丈夫です。あ、それに、何だかわかりにくくて、すみません。」


「ううん、すごいクリアな説明せつめいだよ」と言って、渡邉哲郎は残りのどら焼きを口にした。そして、「で、守衛さんと会議室に戻ってきたときはかぎがかかっていたんだ」と、質問しつもんともコメントとも取れるようなことを言った。


「はい。鍵は守衛さんが開けてくれました。でも、会議室には誰もいませんでした。」

「その後はどうしたの?」

「みんなで一階に降りて解散かいさんしました。」

「解散?」

「はい。守衛さんは、自分たちが守衛さんをからかったということで、高野さんが倒れていたことは信じてくれませんでした。」

「ということは、結局けっきょくそのあとは高野さんの行方ゆくえはわからないってこと?」

「ええ。解散したあと、かなえさんはその会議室と高野さんの研究室を見に行ってくれたようなんですけど、やっぱり見当たらなかったって。」


「そうか・・・」と言って、渡邉哲郎はしずかに目をじた。何かを考えているようだった。


田畑太一郎は邪魔をしないように、自分が買ったドーナツを食べはじめた。二つ目のドーナツを食べようとしていたとき、渡邉哲郎は目を開けて、「高野さんが倒れているのを発見して一階に降りるときは、どうやって降りたがおぼえてる?階段かいだんを使ったりした?」と聞いた。


「えっと、その会議室に行くときと同じように連絡通路を通って東棟に行ってから一階に行きました。でも、階段ではなくてエレベーターを使いました。」

「なるほど。連絡通路のあたりでは誰にも会わなかった?人影ひとかげを見たとかもなかったかな?」


「えーっと・・・」と言いながら、田畑太一郎はその時の様子をもう一度頭に思い描く。


「誰もいなかったように思います。」

「そうか。で、その後、高野さんには電話したりメールしたりした?」

「かなえさんがしたようですけど、返事はないみたいです。」

「警察には?」

「言ってません。」

「え、なんで?」

「いえ、なんか自分たちが見たのが本当のことだったのか、今ひとつ自信が持てなくて・・・。」


「そうか・・・。うん、まあ気持ちはわかるよ」と言って、渡邉哲郎は持ってきた水筒を口に当てたまま、何か考え事を始めた。その様子を見て、田畑太一郎は残りのドーナツを食べ始めた。


ドーナツを食べ終わり、ほとんど氷水のようになったアイスコーヒーを少し飲んでから、田畑太一郎は「あの、すみません・・・」と渡邉哲郎に話しかけた。


「え?あ、ごめんごめん。一人で勝手かってに考え事をしていて。」

「あの、高野さんのこと調べられますか?」

「調べるって?どこに行ったかとか?僕、探偵たんていじゃないけど。」

「あ、すみません、そういう意味ではないです。えっと、高野さんってどんな人だったのかな、とか。家庭環境かていかんきょうとかそういうのです。渡邉さんならそういうの調べるの得意なのかと思って。ああいうWebサイトを運営うんえいしているので。」

「ははは、あのWebサイトを運営うんえいしてるのは僕じゃないんだけどね。まあ、調べられる範囲はんいで調べるけど、それがわかると何か役に立ちそう?」

「いえ・・・えっと・・・こういうことは言うべきじゃないかもしれないんですけど、もし高野さんが殺されてしまっていたとしたら、何か怨恨えんこんとかそういうのがあったりするのかなって。だから、高野さんのバックグラウンドがわかれば、犯人はんにんのめども立ってりするんじゃないかって思ったりしたんですけど。」

「それは警察けいさつの仕事だね。僕らは立ち入らない方がいいと思うよ。あ、ごめんね、余計よけいなお世話せわかもしれないね。」

「いえ、その通りだと思います。」

「まあ、ちょっと調べてみるよ。何かわかったら教えるね。でも、もし本当に殺人さつじんだとしたら、なるべくこのけんにはかかわらない方がいいよ。自分の身の安全を第一に考えるべきだと思うな。あ、これも余計なお世話かも。」

「いえ、本当にその通りだと思います。気をつけます。」


「そうか」と渡邉哲郎は言い、「じゃあ、気を取り直して、Webサイトの編集へんしゅう作業さぎょうで、今僕らがかかえている案件あんけんについても少しだけ話そうか」と話題わだいを変えて、二人でこれから掲載けいさいする予定の記事きじについての話を始めた。そして、その後に二人は荷物をまとめてドーナツ屋を出た。


ドーナツ屋を出たところで、渡邉哲郎は「高野さんのことは調べておくね。坂井さんのことも調べる?」と聞いてきた。


「え?」と田畑太一郎が答えると、「まあ、今は坂井さんのことはいいか。とりあえず高野さんのことで何か気になったことがわかったら連絡れんらくするよ。あ、それとね、今日のことは他の人には言わないでおくから安心して。警察にも言わないから」と言って、渡邉哲郎は後ろを向いたあと右手を上げてから歩き出した。


田畑太一郎は、渡邉哲郎が二、三歩歩いてから右手を下ろすのを見届みとどけてから、自分は留学先りゅうがくさきの研究室の方に向かって歩き出した。


***


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