3.ぐしゃり、落ちる
頬杖をついて、窓の外を見る。彼は、教室にはいなかった。
開いた窓を通り抜けた風が、薄汚れたカーテンを揺らして駆け抜ける。右から左へと通り抜ける声を聞き流し、青い空。
ふと、影が差した。
かしゃりと一枚目、何かが落ちてくる。
かしゃりと二枚目、学生服の背中。
かしゃりと三枚目、落ちていく。
かしゃりと四枚目、虚ろな、黒い目。
かしゃりと、五枚目――ぐしゃり。
悲鳴。
叫び。
サイレンの、音。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます