3.ぐしゃり、落ちる

 頬杖をついて、窓の外を見る。彼は、教室にはいなかった。

 開いた窓を通り抜けた風が、薄汚れたカーテンを揺らして駆け抜ける。右から左へと通り抜ける声を聞き流し、青い空。

 ふと、影が差した。


 かしゃりと一枚目、何かが落ちてくる。

 かしゃりと二枚目、学生服の背中。

 かしゃりと三枚目、落ちていく。

 かしゃりと四枚目、虚ろな、黒い目。

 かしゃりと、五枚目――ぐしゃり。


 悲鳴。

 叫び。

 サイレンの、音。

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