囁き・31

 マッチングアプリですって?

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 女と男がスマホのマッチングアプリを使って、出会いを求めるものなのよね。この世界の人間達はのかしらね。なぜ、女と男というが一緒になりたがるのか、私には理解できないわ。


 この世界では、古来こらいから恋愛という概念が浸透しているのね。お見合い、自由恋愛、政略結婚……こんな古い価値観と習慣に縛られて生きているなんて、軽い奴隷制度みたいだわ。


 様々さまざまな形式のて結婚というかたちにはまり、愛をはぐくみ、その集大成が、お互いのを継承したという事なのね。


 までして、互いの遺伝子を後世こうせいのこしたい執着心は、どこからくるものなのかしら? それも、この世界のという生物のの特徴なのかもしれないわね。


 そうして生まれた後継遺伝子体こうけいいでんしたい、つまり子供でさえ、ひとりで生きていけるになるまで、数十年すうじゅうねんという年月ねんげつを消費するのよね。


 、幼児期の時から、事、生理現象や食事に教育を施すなんて、非効率での人生を無駄にしているとしか思えないわ。


 それに、のに、という行為を行うのでしょう? そんな、女と男がで互いの遺伝子をするなんて、私達の世界では考えられない思考と行為だわ。


 もちろんというは存在するけれど、それはあくまでも、パーソナライザー・イメージリング・アクティビジョナライズ・アステルので行うものなのよ。簡単に言うと、脳内ヴァーチャル世界での行為ね。


 仕組みは以前に説明したからはぶくけれど、好みのをカスタマイズして、のよ。いわゆるも脳神経から全身にゆき渡るから、心地よい疲労感がとして残るわよ。


 そして以前にもざっくりとふれたけれど、ほっしたい時は、シンギュラリティ・フォーメイテッド・レセルーション・システム管轄下の年齢抑制プログラムオプションと同様に、シンギュラリティ・フォーメイテッド・アドバンスド・レセルーション・システムセンターにおもむき、自身のを抽出し、性別・容姿・体型・髪の色・性格などをして、最適なほかの登録されている遺伝子がされて、新たなが誕生するのよ。


 すぐにを求めなくても、自身の遺伝子のは可能だから、みんな結構、気軽に登録だけは済ませているわね。遺伝子のマッチングは異性に限らず、最近になってようやく同士の遺伝子でも後継遺伝子体は事が可能になったわ。


 私達は、完全なという存在なので、この世界におけるという形態と概念が、ないのよ。を構築するのカップリングも、いない事もないのだけれど……また、少数ではあるけれど、まれに直接的な性交渉をて妊娠、出産するという同士もいるのだけれど、エターナリンク星系同盟連邦の総人口の0.5%にも満たない少数派ね。


 そんなの過程で、互いのは退化してとなってもいいはずなのに、なぜかのは、やはりこの世界の人間達とがあるのかしら。


 確かに、あなた達の常識と価値観に照らし合わせると、した私達の存在は、み嫌われるものなのかもしれないわね。


 は、あなた達の世界では、への冒涜ぼうとくとして認知され、それをいい事にしてしまうのよね。前にも言ったかしら?


 人間にはして、動植物にはし、都合のいい、言い訳と解釈をするのね。


 で、あなた達人間のは、終わりかしらね。


 まぁ、家庭に家族……親から子へ、そして孫へと、家系と遺伝子が継承されてゆく事象は、あなた達の世界においては、喜びと美徳と、ロマンに溢れているのかしら。


 それにしても、この尋常じんじょうでない通知のかずは、なんなのかしら? 遊び半分でに登録したら、こんなにもの通知って、驚いたわ。


 プロフィールなんて、よ……ただ、面白そうだから、私の出身地などはに入力したわ。顔写真は少し加工したけれど、そのほかの項目は、もちろん、出身地は首都星しゅとせいエルメローナ・レスティアーナって入力して、エターナリンク星系同盟連邦からやってきました。なんて入力しても、誰も信じないと思っていたら……まったく、私を馬鹿にしているのかしら? 淋しい男ばっかりね。


 こんな欺瞞ぎまんに満ちたに私は興味はないから、すぐに退会手続きをして、登録抹消よ。


 それにしても、私がって事を、本当に理解してされているのかしら? もしかしたら向こうAIも、私同様、遊び半分かもしれないわね。


 やっぱり、この世界で私のは、甘いものね。


 さぁこの次も、この世界のダメなところ

 あなたのそばで……


 囁いて……ア・ゲ・ル♡

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る