囁き・14

 秋葉原ってまちは、特殊な雰囲気ね。

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 かつては電気街、今はオタク? みたいな人種が大勢押し寄せる街へと変貌したのね。なんだか街頭にやたらメイド服? なるものを着た女性がいたり、メガネ? をかけてリュックを背負い、両手に紙袋を持った男性がいたり、アニメグッズや同人誌? を扱う店舗や、アダルティーな映像ディスクや紙媒体を販売する店舗があったり、この街がかもし出す雰囲気は、形容し難いものね。


 なにも、こんな街に来ていろんなグッズを買わなくても、私達の世界で当たり前に普及しているパーソナライザー・イメージリング・アクティビジョナライズ・アルテルを使えば、いろんな映像やストーリーを脳内で鑑賞・体験できるわよ。


 この世界の女性が使うカチューシャに似ているかしら……それを頭に装着すれば、脳波・脳細胞とリンクして目を閉じると、脳内スクリーンがあらわれ、いろんなイメージリングの選択肢が表示されるから、意識を希望のイメージリングにかたむけたり、もし選択肢になければ、想像すると新たにイメージリングが形成・表示され、選択すれば、アクティビジョナライズが発動して脳内スクリーンにイメージリング映像が映し出されるのよ。


 もちろん、視覚のみならず、触覚や味覚、痛覚、快感も再現されるから、あなた達の好きなな性交渉なんて不要になったわ。


 この世界で普及しつつある? そんな不恰好なゴーグル? なんてものをかけて、両手になんだか丸いものを持ってを楽しむですって? まったく滑稽で笑ってしまうわよ。


 しかし、このって結構過激なのね。ちょっと面白そうだったから、たくさん買い込んでしまったわ。


 それじゃぁ、拠点に帰って……


 あら、誰かにぶつかってしまったわ……ごめんなさい。大丈夫かしら?


 えっ? あなたの形が、この世界の人間と少し違うわね。それより、ケガはないかしら?


 大丈夫……それは良かったわ。えっ、をかけているのに、どうして違うってわかるのかですって? さぁ、私にもわからないわ……それより、ってなんなのかしら? この世界にそんな概念はなかったような……。


 なんですって! あなたも別の世界からこの世界にしてきたっていうの?


(私もそうだけど、さんと同じ現象なのかしら)


 そ、そうなのね……はぁ、私はで魔法使いで、今は甘いものめぐりをしているの女の子もいるのね。


 それで、とある小説投稿サイトでエッセイを書いてたら、に触れて一発退場になって、もうひとつ書いていたさんを主人公にしたエッセイも、自主的に非公開にせざるを得なくなって各方面に迷惑をかけたのね。


 ちょっとなに言っているのか、わからないけれど……もしかしてさんって、あの薬屋さんかしら? 「そうだね」ですって……その人、私のお隣さんだわ。


 なんですって! あなた達も、私と薬屋さんと同じに住んでいるですって?


 の最上階の景色は三日みっかで飽きるから、低層階の方がコスパがいいからそこを買って住んでいるのね。なんだか異世界転移同士、同じ場所に集中するわね。


 えっ? さんとこれから女子会をするから、あなたもどうですか? ……そうね、これもなにかのだから、おさそいを受けようかしら……。


(さっき買った薄い同人誌の中に、エルフさんに似たようなものが、あったような……)


 えっ? なんでもないわ……それじゃぁ行きましょうか……あら、お弟子さんと待ち合わせしているのね。その跡地に転移魔法陣を構築しているから、そこから拠点へ戻れるですって? とんとことん? はアニメを観ていないからわからないけれど、便利な魔法なのね……それで私を元の世界に戻してくれないかしら? 


 そう……には使えないのね。いいえ、謝らなくてもいいのよ。


 さぁ、そんな事より、早く拠点に帰ってさんとお弟子さんと、楽しい女子会を楽しみましょう。ちょっと甘いものを買い足すわ。


 さぁこの次も、この世界のダメなところ

 あなたのそばで……


 囁いて……ア・ゲ・ル♡

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