第5話「散る幸せ」

自殺衝動に駆られたのは

妹が死んでからだ

そもそも僕が家族第一だったから

誰にでも優しいから

それを奪うことが

僕の失望する唯一の事だったから

僕は僕の愛のせいで

大切なものを失った


僕はこれから愛を持てば

それを奪われる

だから死ぬほかない

誰かの関係を持てば

壊される


だから自分の為ではない

身の回りの為に死なねばいけない


ごめんなさい

ほんとにごめんなさい


世界には不幸を欲しがる

そういった人もいる

それに気づくのが遅かった

もっと早く、手を回して

幸せな笑顔を控えていれば


ここまで残酷な事にはならなかった

ほんとに考えなしでした


父さん母さん

そしてただ一人の妹

ごめんな


だめな兄貴で

今から、そっちへ行くよ


もう幸せなんて大嫌いだ

不幸でいいから一緒にいたかった


ごめんな

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