佐藤楓は探偵ではない？

第3話 スペイン

伊勢に到着して、いよいよ三重県を観光する。伊勢神宮は明日にして今からスペイン村を観光する。

フェリー乗り場からスペイン村はタクシーで30分くらいだ。

楓　: スペインビール♪スペインビール♪

中島　: スペイン村にビールを飲むために行くだなんて信じられない。

楓　: 夏はビールでしょ♪旅行はお酒も楽しむべきだと思わない？

中島　: それは酒好きのセリフですよ。

楓　: 中島ちゃん飲めない派だっけ？

中島　: 普通ですね。でも酒好きではありません。

楓　: じゃあこの旅行で酒好きになりましょう♪

中島　: その頭はもう飲んでるようなノリですけど大丈夫ですか？そんなノリですすめられると嫌な予感しかないですよ。

楓　: 中島ちゃん私をゴミかゴキブリかと思って見てませんか？

中島　: …………

楓　: 否定！？否定して！？

中島　: 楓先生には嘘はつけません！ゴキブリだと思ってました！

楓　: しかもゴミじゃなくてゴキブリなんだね！見たくないレベルの生命体なのかな？嘘はつけませんって！嬉しいけど！だけどこの信頼の築き方は間違ってるよ！

そんなカミングアウトをしながらスペイン村に到着した。

スペイン村はレンガ造の建物がたくさんならぶ。

日本なのにまるで御伽の世界だ。

楓　: エスパーニャ太陽と歌を求めて♪冒険と夢を求めて♪

中島　: その歌はなんですか？

楓　: スペイン村の歌だよ♪

中島　: ノリノリですね。

楓　: エスパーニャビールと食を求めて♪

中島はその歌詞はさすがに替え歌だと気づいて冷たい目で楓を見た。

楓　: アミーゴ♪レストランに到着だよ。

お店はおしゃれなカフェのような造。

ヨーロッパらしいお店だった。

店員に楓はローストビーフバーガーとスペインビールを注文した。

スペインビールで乾杯をする。

中島　: これ何の乾杯ですか？

楓　: お疲れ様の労いの乾杯かな。

中島　: 楓先生に労いの乾杯したくないですね。

楓　: ひどくない？

中島　: 小説書いたら労いの乾杯しますよ。

楓　: まじで鬼！

ビールはクリアな黄金色で味はさっぱりしているのでゴクゴク飲める。

楓　: 夏はビールだよね。

楓はローストビーフバーガーにかぶりつく。

ローストビーフバーガーのサワークリームソースが濃厚でビールに合う。

中島　: 楓先生たくさん食べますね。

楓は店内を見ていると1人の女性が席で化粧のチークを顔に塗っている。

その女性は白いミニワンピースで足が露出していて更に胸元も大きく見えていた。

楓は黒レースのトップスにベイクドブラウンのロングフレアスカートで落ち着いた恰好。

中島は仕事の服で白のフレアノースリーブにネイビーのワイドパンツの恰好。

中島　: 仕事の恰好で来てしまったので、どこかで動きやすい服を買わなきゃいけませんね…

楓　: 中島ちゃんの服を選びたいな。中島ちゃんを私色に染めてあげるよ。

中島　: 楓先生、服を買ってくれてありがとうございます。

楓　: 中島ちゃん！何でそうなるのかな？

スペイン村を散歩して過ごした。

どれも素敵な建物だ。

そろそろホテルに行こうとした時だった先ほどレストランで見た女性がふらついて歩いている。

スペインビールを飲みすぎたのだろうか？

観光客の男性とぶつかってしまい。

女性は男性に抱きついてしまう。

そうとう酔っているようだ。

男性は困っている様子。

知らない女性が抱きついてきたら困るのも無理もない。

しばらくして女性は自力で歩き出した。

その様子を見ていた楓がなぜか男性に近づいて行く。

楓　: 中島ちゃん！さっきの酔った女性を連れて来て！

中島　: え？

楓　: 早くして！

中島　: はい！

中島は酔った女性を連れてきた。

楓はぶつかられた男性を引き止めていた。

中島　: 楓先生この状況を説明して下さい。

女性　: 何か私に用ですか？

楓　: 中島ちゃん女性を両腕をしっかり掴んで！

中島はよく分からないが指示に従う。

楓が酔った女性をジロジロ見る。

そして黙って女性の胸元に手を突っ込んだ。

女性　: きゃー！

中島　: 楓先生！！

すると胸の谷間から金のネックレスが出てきた。

中島 : 楓先生！なんですか？説明して下さい！

楓　: この女性が酔ったフリをして男性に抱きつきネックレスを盗んだから捕まえただけだよ。

楓は男性にネックレスを返す。

男性　: ありがとうございます。

楓　: もうすぐで警察もくるから、あとは当事者同士でお願いします。中島ちゃんその女性はスタッフに任せて私たちはお土産でも買いに行こう！

中島　: えっ！？この状況で！？

楓　: いいじゃないか後の事は警察に任せよう！

中島　: はぁー

スタッフに事情を話て犯人の女性を取り押さえてもらった。

中島　: 楓先生よくスリだって気づきましたね！

楓　: レストランであの女性はメイクをしていただろ。その時に見えたのさぁ。メイクでわざと顔を赤っぽくしてたのが！だから酔った演技にも気づけた。最初は荒手の出会いかと思ったが…抱きつき方がとても変だった。女性は男性に興味なしで去って行くので何か盗んだと察知したわけだよ。

中島　: よく見てますね！でも胸元にネックレスを隠しているの何で分かったのですか？

楓　: まぁ盗んだ相手が男性だから男性が触らないところに女性は隠すと思ってね。

中島　: 楓先生やっぱり探偵にむいてますよ！

楓　: 私は小説の為に人間観察や男女の思考傾向を考えて過ごしてるだけだよ。

中島　: 楓先生！小説への情熱があるじゃないですか！是非小説を書いて下さい。

楓　: 中島ちゃん何だか酔いが回ったようだ…

中島　: 酔ってませんよね！

楓たちはスペインビールをお土産に買って旅館に行く。

旅館についても楓はスペインビールばかり飲んで小説をなかなか書かなかった。