第四十四話 健康って素晴らしい

~健康を保つ秘訣は、早寝早起きとバランスの良い食事と適度な運動。

バグ、ダメ、ゼッタイ~


※今話は、気分を害す例えが含まれているかもしれません。

食事中の方はお気を付けくださいますよう、よろしくお願いいたします。

(by 藍沢)




 はい、ゴホンッ。っと、グラサンがゴホつきました。


 で。


《え、えー、それではっ

バグダーラァケ学園、実技試験の概要を説明させていただきます》


 謎のじじについての説明もなく、試験について話し始めました。


 やっぱさっきのは全部なかったことにするんだね。

周りの人もみんな真剣な顔してなかったことにしてるよ。


 でもさ? でもさっ?

みんなさっきまで真剣ガチで体操してたよね?

試験に影響あるかもっ⁉

とか思って本気マジでやってたよねっ?


《チュッ》

「そのムカつく顔やめろっ。

両隣のやつが苛ついてんぞ」


 わ、わかったよー。クフッ。

やめるよぉー。クフフフフッ。


《チュン》

「誰か、こいつ殴ってくんねぇかなっ」


 さてさて、で?

実技の概要とやらを聞こうじゃあないか。


《これから皆さんには、実技。

即ち、実際の技量を試させていただきます》


 ほうほう。つまり?


《つまり、

プレ絵本の登場人物として実際に動いてもらいます》


ざわざわざわ。


 なんだプレ絵本って。

プリン・ア・ラ・モードのこと?

へぇー……おいしそっ。


《チュッ》

「プレオープンとかのプレだろ。おためしみたいなもんだ。

つーか、は入ってねェじゃねェかっ」


 へぇー。


《ではまず、皆さんの審査をしてくださる方々を紹介しますっ》


ボワンッ。


 おぉ。ばばが現れたっ。


ボワンッ。


 おぉ。じじが現れたっ。


ボワンッ。


 おぉ。目をかっぴらいたアナウンサーが現われ――――


 いや、開き過ぎじゃないっ⁉ 眼球飛び出ちゃってるよっ⁉

ニワトリの解剖で、トサカを持ち上げた時に目玉が飛び出るやつくらい

飛び出てるんだけどっ⁉


《チュッ‼》

「気色悪い例えすんなっ‼ テロップ入れろっ‼」


 え、あ、すみませんっ。

※個人の感想です。


《チュンッ‼》

「そうじゃねぇだろっ! もっと上の方に

【※今話は、気分を害す例えが含まれているかもしれません。

食事中の方はお気を付けくださいますよう、よろしくお願いいたします】

って入れろっ‼」


 お、オスッ!


《チュッ!》

「んで誠心誠意、謝れっ!」


 こ、この度はっ、私の不適切な発言で気分が害してしまい

誠に、遺憾でっ――


《チュッ?》

「あ˝?」


 誠に申し訳ありませんでしたぁあああ‼


《チュ》

「よしっ。んじゃ、本編戻れっ」


 イエッサー!




 と、いう訳で

審査員はどっかのばばとじじと目玉アナウンサーのようですねっ。


《あたしゃ、ラビリーじゃ。よろしくねぇ》


 ラビリーっ‼ ラブリーなお名前ですことっ!


《…………ばあさん、仇は取ったぞ》


 …………え。


《実況を務めますっ! アナウ・ンサーですっ!

本日はよろしくお願い致しますっ‼》


 そこかっ? そこで区切るんだ名前っ?

どっちかっていうとアナ・ウンサーの方が――

いや、それもちょっとアレか。


《チュ……》

「てめェ……これ以上、余計なこと喋んじゃねェぞ」


 ア、ウッス。


《そしてそしてこのお方っ!

お名前はギルベルト・スタインシュ様でございましてっ!

スタイリッシュに伸びた白い髭と、深い皺が渋さを演出しておりっ!

名は体を表すとっ! 正にそういうことでございますねぇっ‼》


 ……………………うるせぇな、このアナウンサー。


《…………ばあさん、仇は取ったぞ》


 じじはそれしか言わねぇんスかっ?


《じいさん。あたしゃ、まだ生きてますよ》


ざわざわざわ。


 …………普通だ。ばばだけ普通だっ。

あ、怪しい…………


《チュッ》

「なんでだよ。どう見てもヤバそうなんはアナウンサーだろ」


ざわざわざわざわ。


 いやいやいや、あれくらいならそこら辺にごろごろいるから。

何なら、元の世界にもあんな感じのいるよ?


 でもね。

この世界では普通なやつほどヤバイんだよっ。

そういうふうにできてんだよっ。


ざわざわざわざわざわざわざわ。


 …………いやさっきからざわざわうるさいわっ‼

なんだよざわざわってっ‼ ちゃんと喋れやっ‼


《チュン》

「そういや妙に盛り上がってるな。

あの三人、有名人かなんかなのか?」


《皆さん、もうお気づきかと思いますが

ラビリー様とギルベルト様はある絵本に登場されていますっ。

今回は特別にお越しいただきましたっ》


パチパチパチパチッ‼


 おぉ、拍手の嵐だよ。


 絵本の登場人物ねぇー。

どこポジションなんだろ。やっぱこれだけ拍手喝采だし主役?

んじゃあ、随分と前の絵本なんだね。


《去年発売の絵本の中でも、

特に売れ行きが異常だったあの名作絵本っ!》


 …………え、あ、その歳でデビューですか。

おめでとうございます。


《その名もっ?》


 うわ、下にマイク向けてきたよ。

意外にこのグラサンもノリノリだ。やっぱ絵本のファンなんだ。


《 《 《 カ$#$%&"%山ッ‼‼‼ 》 》 》


 んっ⁉ いや、なんだって⁉

デカい声の割に何言ってんだか聞こえなかったんですけどっ。


 あ、でもカ――――山か。

これあれか。カ〇カチ山か。そうなんだろ。


 なーるほどっ。


 ……………………


 え、かけっこできたんですか?


 いやぁーなんというか……健康って素晴らしいっ!




第四十四話 健康って素晴らしい

~健康を保つ秘訣は、早寝早起きとバランスの良い食事と適度な運動。

バグ、ダメ、ゼッタイ~ END・・・

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