金太郎 立志編

 昔むかし、足柄あしがら山に金太郎という力士が居ました。

 金太郎は熊(グリズリー)と相撲を取っても負けないという怪力の持ち主で、英語も話せるバイリンガルな力士でした。


 因みにグリズリーとはハイイログマの英名で、別名はアメリカヒグマ。なのでその名の通り北アメリカに生息する大型の力士で、大きい個体だと体重は450キロを超え、速い者だと時速50キロ近い速さで走り、器用な奴だと芋ようかんを作ったりして森の生態系を狂わせてしまったりします。


 金太郎はこんなアメリカ生まれのグリズリー達とコミュニケーションを取りながら相撲を取ったり、マリオパーティーをしていたのでネイティブな英語が得意になったそうです。

 そしてそんな日米相撲頂上決戦を足柄山で毎日のように繰り広げていた金太郎ですが――巷とアフリカで噂になるのにそれほど時間はかからず、ある日に金太郎は高名な侍である「みなもとの 頼光よりみつ」に「私の通訳にならないか?」とスカウトされたので、かねてから通訳と力士の二刀流に挑んでみたかった金太郎は快く頼光の通訳になりました。


 それから通訳となった金太郎はすぐさま頭角を現し、名前も金太郎からビル・ゲイツではなく坂田金時さかたのきんときに変え、通訳ながら頼光四天王の1人に数えられるようになりました。

 そしてこの頼光と頼光四天王が後に、大江山に棲む鬼の酒呑童子しゅてんどうじを倒す? のですが……とりあえずその話は「金太郎 酒呑童子編」にするとしまして――


 ひとまず金太郎以外の……つまり残りの四天王ですが、こちらは金太郎と一緒に頼光にスカウトされた体重が450キロあるグリズリーの「✟セフィルス✟」。それと走ると時速50キロ近い速度を出すグリズリーの「卍セフィルス卍」。そして最後に芋ようかんで森の生態系を荒らすグリズリーの「セフィルス♨セフィルス」の3力士と金太郎を合わせて頼光四天王となっていて、実は四天王は金太郎1人しか居なくて残りはエア四天王、或いはイマジナリー四天王という事はありませんでした。


 こうして頼光は金太郎と四天王という屈強で頼もしい通訳を従え、アメリカに渡って犬系女子の店員さんしかいないダイオウグソクムシカフェに週4で通う予定でしたが、その道中で寄った京都で酒呑童子の噂を聞きつけます。

 酒呑童子とは最近京都で暴れ回っている鬼の事で、京の民や京のダイオウグソクムシ、京のゆるふわダイオウグソクムシ等は大変迷惑し困っていたので、金太郎達はアメリカに出発する前に酒呑童子を退治する事に決めました。頼光がダイオウグソクムシの大ファンだったので……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る