金太郎 酒呑童子編

 大江山に棲み、京の都を荒らす酒呑童子。


 その名の通り「酒」を「む」事が大好きな鬼なので、1日の内8時間はお酒を呑んでいて、1日の内10時間はフリーWi-Fiを探している……そんな迷惑な鬼でした。


 そんなWi-Fi探しの鬼である酒呑童子を退治する事に決めた頼光と金太郎達ですが、これだけの怪力通訳揃いでも相手が鬼ともなれば慎重にならざるを得ません。そこで頼光達は一つ策を練りました。

 それは「※神便鬼毒酒じんべんきどくしゅ」というお酒――正確には人間にとってはお酒。鬼にとっては眠り薬。そしてグリズリーにとってはレッドブルになるエリクサーを使って酒呑童子を眠らせて討ち取ろうという作戦でした。


 ※効能は諸説あります。また効果には個人差もあるので詳しくはお近くの薬局でお確かめ下さい。


 なので10万円以下の買い物はみんな同じ値段だと本気で思っているほどお金持ちの頼光は早速ネット通販で神便鬼毒酒エリクサーをありったけ購入。それ以外に必要そうな道具……例えば武器や防具にボウリングのマイボール、ボウリングのマイプロテクターにボウリングのマイシューズ(右足だけ10足)といった物は全て100円ショップで買い揃えました。


 こうして準備万端となった頼光と金太郎達は、いざ酒呑童子の居る大江山へと乗り込みます。

 金太郎達は酒呑童子に「お酒を振る舞うからタコパしようぜ!」と言って油断させ、パーリィー中に神便鬼毒酒を呑ませる事に成功します。但し酒呑童子を騙すために自分達も吞んだため、頼光と金太郎もベロンベロンに酔っぱらって眠ってしまい、グリズリー達もレッドブルのおかげで翼を授かり空を飛べるようになったのでそのままアメリカへ一足先に飛んで行ってしまいました。

 その後、目を覚ました酒呑童子と頼光と金太郎ですが、酒呑童子の視点からすると頼光と金太郎はお酒をくれてタコパを開いてくれただけのいい奴等だったので、3人はすっかり意気投合して最終的には酒呑童子も一緒にアメリカに渡る事になりました。


 こうして軽いドライブ感覚でベビーカーに乗ってアメリカに渡った頼光、金太郎、酒呑童子の3人ですが、当初の予定通り犬系女子の店員さんしかいないダイオウグソクムシカフェに週4で通っていましたが、予想以上にハマってしまい、そもそも犬系女子だった酒呑童子はそのまま週7でダイオウグソクムシカフェでアルバイトをする事になりました。

 なので今日も日本は平和です。めでたしめでたし。

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