第二十七章 VIP

 先頭は結菜ちゃん。パソコンのテレビ電話の画面で見るよりはるかに美人だ。和風美人である。

 町田さんとは系統がちがう綺麗さで、多分お父さん似なのだろう。

 「すいません遅くなりました。盛り上がっている最中にごめんなさい。

 わたし、あそこに座っている町田祐風貴の長女で、となりの町田みのりと姉妹になる町田結菜です。今の苗字は結菜・パターソンで、ジャマイカ人と結婚して現在は首都のキングストンで暮らしています。どうぞよろしく」

 結菜ちゃんがお母さん譲りの礼儀正しさで挨拶し、町田母娘を除くその場の全員から自然に拍手が起こった。

 続いて入ってきたのは彼女の亭主でギタリストの通称ロブちゃん

 結菜ちゃんがそのまま紹介を続けた。

 「こっちはわたしのだんなさんでギタリストのロバート・パターソン。通称ロブちゃんです。

 「みなさん、コバヌワ!」

 またもやんやの拍手がおこり、ロブちゃんはその場で全員に向けてハイタッチの仕草。

 しんがりのもう一人が、背の高いロブちゃんの背後からフッと姿を現した。

 黒のコートに透明レンズで細い黒フレームのメガネをかけた、ブロンドと言うよりは明るいブラウン系の長い髪、外人にしては小柄な女性が結菜ちゃんの隣に並んだ。

 その新来外人女性の正面に座っていた国分氏が彼女を見て、座布団の下に仕掛けられたバネが弾けて身体が飛ばされたかのごとく後ろの壁にへばりついた。

 「なぜあなたがここに オーマイガッ!」

 国分氏の大きなリアクションがあまりに唐突だったので、広間に居る全員の目が彼に集まった。

 「ほら、この人、あの人よ」

 そう言って町田さんが私に示した写真は、全米はおろか世界を席巻する人気の超大物スター、レイジー・ママだった。先日はアメリカ全国民が注目するイベントでアメリカ国家を熱唱した人物だ。

 「本当ですか? それにしちゃあ画面で見るより小っちゃく感じるけど。

 しかしステージ上では大きく見えたミュージシャンが、対面で話すと私と目線の高さが同じだったりするから、それと同じ効果かな。

 でもまたどうして、こんな田舎の温泉旅館に世界的VIPを連れてきたんだろう。

 アンドロイド研究の第一人者である御茶水氏に会わせたかったから?」

 「そうじゃないみたいよ。結菜のメールにはファイヴ・カラーズと顔合わせをするためだって書いてあるわ」

 「ファイヴ・カラーズと? 彼女、彼らのファンなんですか」

 「ほら、ロブちゃんの代わりになる前座のバンドがどうとかって言ってたじゃない。その前座にファイヴ・カラーズが抜擢されたそうなのよ。そのための顔合わせみたい」

 「へえ、そうなんだ。そっち系の音楽事情はよくわからないけど、すごいことなんでしょうね。なにせ世界のレイジー・ママだから」

 視線を自分に戻してもらうため、結菜ちゃんは咳ばらいをしてしゃべり始めた。

 「えー ご存知の方もいらっしゃると思いますが…… と言うより知らない方はいないと言った方が正確でしょう。

 わたしの隣に立っていらっしゃるのはレイジー・ママさんです。どうぞ拍手で歓迎してください」

 国分氏の驚愕動作とまさかの人物の登場で、あっけに取られていた広間の全員が我にかえって拍手を打ち始めた。

 ファイヴ・カラーズのことは宴会前に女将から知らされていた仲居さんも、レイジー・ママの来館はこの場の人たち同様、まったくの予想外だったので皆と一緒に目を丸くして拍手している。


 「Hello コヌバヌワ Good evening」

 ここでまた拍手。

 「(英語)わたしはレイジー・ママといいます。初めましてみなさん」

 拍手。このくらいの英語なら中学生姉妹にも理解できる。

 「(英語)今、わたしたちは日本のいくつかの都市でコンサートを行っています。昨夜はここから近い広島にいました」

 御茶水夫妻や町田母娘、はやぶさ・みずほ兄妹は英語をほぼ完全に理解できるが、私と汐音、国分氏、ファイヴ・カラーズには、しゃべる速度にもよるが理解度がまちまちだ。

 結菜ちゃんが通訳をしてくれる。

 「いま日本ツアー中で、昨日は広島でライヴがありました」

 「(英語)昨日からここにいるロブが、わたしのバンドの正式なメンバーとなってギターを弾いています」

 「ロブちゃんが昨日のコンサートからママのバンドの正ギタリストになって、彼女のバックと途中のソロを弾くようになりました」

 「(英語)昨日より前、ロブのバンドには、わたしたちがステージに出る前に二曲演奏してもらっていました」

 「ロブちゃんたちのバンドは、広島より前のコンサートでは前座を担当していました」

 「(英語)しかしわたしとバンドのギタリストの間でトラブルが起こり、そのギタリストとは離れることになりました」

 「ママのバンドで弾いていたギタリストと彼女の意見が合わず、彼は馘にされました」

 英語を日本語訳した時の、独特の回りくどさを省略して結菜ちゃんがストレートな表現で通訳してくれるので、とても理解しやすい。

 「(英語)あと二回、東京でコンサートをするのですが、前座を担当してもらうかわりのバンドを早急に探さなければならなくなりました」

 「ロブちゃんのかわりの前座バンドを急いで見つけなければなりません」

 「(英語)そこで以前から注目していたファイヴ・カラーズと交渉してみることになりました」

 以下、概略で書く。

 昨日の昼、レイジー・ママを呼んだ日本のプロモーターとファイヴ・カラーズのボス、つまり社長兼マネージャーの国分氏が交渉した結果、東京での二回のコンサートにサプライズ前座として登場することになったそうだ。

 コンサートの両日にファイヴ・カラーズは番組の収録が予定されていたのだが、この時ばかりは事務所の威光を発揮して別日にスケジュールをずらしてもらったらしい。

 そのかわりファイヴ・カラーズの特番を一本、その番組制作会社のためにお友達価格で作る約束をせざるを得なかった。

 ママ側としては、スケジュールを押さえることができたのは良かったが、実際にファイヴ・カラーズの面々とは当然ながら面識がない。

 事前に会って意思疎通を図っておきたいと思い事務所に電話するが、誰も出ない。

 国分氏の携帯番号が名刺に書かれてあったが、彼は自分の電話帳登録以外の番号からの着信には出ないので、これも繋がらない。

 ママのマネージャーが困り果てていると、ロブちゃんが『わたしのワイフなら連絡先を調べてくれるかもしれない』と助け船を出した。

 それで結菜ちゃんがみのりちゃんに電話して、御茶水氏を介して国分氏に連絡がつかないか訊ねてみた。

 みのりちゃんから返ってきた答えがまさかの内容で、ファイヴ・カラーズは現在、みのりちゃんたちと同じ旅館に泊まっている。彼らは合宿名目でここに来ているとのこと。

 詳しく訊くと、場所は今いる広島から車で行ける距離。今夜はファイヴ・カラーズも含めてみんなで食事会を開き、彼らは明日東京に戻るらしい。

 その事実をママのマネージャーに伝え、マネージャーがママに『明日東京で会うようセッティングするか』と訊ねたところ、彼女は『近くにいるならわたしが直接いくわ』と言い出した。

 『それはまずいんじゃないか』とマネージャーは一応言ってみたが、彼女の性格を熟知している彼は、もはや彼女の意志は変えられないと経験上悟っている。

 「(英語)ユイナ、ロブを連れて一緒に行きましょう。あなた車の運転できるでしょ」

 「(英語)できるけど、すごく安全運転だから時間がかかるかも」

 「(英語)安全運転イチバン! じゃあ今から行くからって向こうに連絡しておいてね」

 「ユイナ、運転ダイジョブですか?」

 ロブちゃんが日本語で訊いてきた。

 「大丈夫じゃないよ! ペーパードライバーだし、高速道路なんて自動車学校の教習以外で走ったことない」

 「でもセキュリティー連れていくとタイヘンね。三人でコッソリ出発。OK?」

 「仕方ないなー オーケーオーケー。じゃあちょっと電話してくる」

 そのような諸々の経緯があって、山陰地方にある、そんなに大きくない旅館の二階の大広間の端っこに今、世界的大スターが立っているわけだ。


 一通り、ママの話しと結菜ちゃんの通訳が終わったところで、彼女が広間のひとりずつの許へ挨拶しにまわり始めた。結菜ちゃんがサポートする。

 まずは将来のノーベル賞候補、御茶水氏のところへ行きギューッとハグをした。隣の瑤子さんの表情を見ると若干ムッとしている様子。

 御茶水氏とは英語でしばらく話してもう一度軽くハグ。

 次の瑤子さんにも御茶水氏と同じくらい強くギュッとハグをした。

 さっきは夫への親密過ぎるママの態度に若干目が吊り上がっていた瑤子さんだが、今は涙を流さんばかりに感激している様子で、得意の英語もなかなか会話を組み立てられない動揺ぶりだ。

 ママは広間の全員にひとりずつ、心からの親密さを示すハグをしていった。

 その後、レイジー・ママ一行とファイヴ・カラーズのメンバー、国分氏が別室に場所を移して自己紹介と簡単な打ち合わせを行い、明日のゲネプロで最終的なプログラムを決定することになった。


 広間に戻ってきたママたちは、用意された席に座り、出された料理を賞味した。

 事前に結菜ちゃんがみのりちゃんに送ったメッセージには『そこの旅館で一番良い銘柄の芋焼酎を用意しておいて』とあった。

 実はレイジー・ママは日本の芋焼酎が大好きであり、ツアー中は毎晩、それぞれの宿泊地で名だたる芋焼酎を所望して呑んで疲れを癒しているらしい。

 フロント係の男性から連絡を受けて、急遽出先から戻ってきた女将が仲居さんの用意していた芋焼酎の瓶を持っていこうとするのを見て

 「それは誰のご注文?」

 「どうやらレイジー・ママさんが呑まれるそうです」

 「ち、ちょっと待ちなさい。すぐに戻ってくるから、まだ出しちゃだめよ!」

 そう言い残して女将は離れの自宅に走って行った。

 数分して戻ってきた女将の腕には彼女の旦那、つまり温千旅館社長のコネで数年かけて裏ルートで入手した熊本産の幻の芋焼酎阿蘇3二本がしっかりと抱きかかえられていた。一年に十本弱しか出荷できない超貴重ものらしい。

 「これを出しなさい。まずは一本開けて味をみてもらって、レイジーさんが気に入られたらおすすめするのよ。

 ほかの人たちにも少しずつ分けて試飲していただいて。

 あと三本あるから、レイジーさんが帰る際におみやげで差し上げるとお喜びになるでしょう」

 広間に持って行った一本と控えの間にある一本、それに社長の書斎にある秘蔵の三本、計五本の《阿蘇3》は社長にとって命の次に大事な宝物なのだが、女将の知ったことではない。

 ゴルフ旅行で静岡に出かけている社長が、帰宅後にどんな反応を示すかはだいたい想像がつくが、レイジー・ママ来館の写真を見せれば、一度は抜きかけた刀を鞘に戻すくらいの神通力があるはずだ。



 楽しい時間はあっと言う間、ママ一行が広島に戻る時間になってしまった。

 結菜ちゃんが、乗ってきた車を玄関前に持ってくるため広間を出ていった。

 皆がそれぞれ雑談をして結菜ちゃんが戻ってくるのを待つ間、ママもロブちゃんと軽い話しをして時間をつぶしている。

 はやぶさ君と隣のみのりちゃんの会話が聞こえてきた。みのりちゃんが説教気味の口調ではやぶさ君を諭す、と言うか説得している。

 「そこにいるなら挨拶するのが礼儀でしょう」

 「だって相手は世界のレイジー・ママだよ。まだデビューもしてない一介のジャズ歌手のことなんて鼻にもかけないって。ニューヨークにはぼくと同じような境遇のシンガーがゴマンといるからね」

 「だからって目の前にいる業界の先輩に挨拶しとくくらいいいじゃない。そもそもそっちの方が常識ある態度でしょ」

 「日本じゃ一応『がんばれよ』くらいは言ってくれるけど、向こうのショウビズ界じゃ、彼女の半径五メートル以内に近づいたらセキュリティーかマネージャーに追い返されるのがオチだよ」

 「いま居るのはロブちゃんだけだよ。それに彼はわたしの姉の夫でもあるからギリギリ身内枠で話しを聞いてくれるかもしれないし」

 ここで私のおせっかい心が頭をもたげた。

 「ほら、はやぶさ君、ついておいで。みのりちゃんは通訳をお願いします」

 ダメもとでレディーにはやぶさ君をちゃんと紹介してみよう。

 さっき試飲で三杯呑んだ芋焼酎の勢いもあるが、世界的だの宇宙的だの言っても、所詮は同じ人間。いやはやぶさ君はアンドロイドだから同じ人類と言うべきか。

 こちらが姿勢を低くして挨拶すれば、いきなり張り手をかまされることはないだろうし、数時間レイジー・ママを観察したところでは、彼女自身は人間好きの博愛主義者と推察できる。


 「エクスキューズ・ミー。ちょといいですか」

 なぜか私の日本語部分も緊張でおかしくなっている。

 みのりちゃんが言ったことをそのまま通訳してくれた。

 「(英語)いいですよ。ミスター?」

 「藤村です」

 「OK藤村サン。(英語)なにかわたしにお話し?」

 みのりさんの通訳は正確なので通訳部分を書くのは省く。

 「この青年、今度あなたの国のレーベルからCDデビューします」

 「あら、そうだったの! コングラチュレーション」

 そう言ってレディーがはやぶさ君に握手を求めた。

 「ありがとうございます サンキュー」

 「あなた、英語しゃべれるんでしょ。ちゃんと自分でアピールするの!」

 みのりちゃんに尻を叩かれてはやぶさ君はスピーチを始めた。

 「えーと、(英語)今度コロンビアキャピトル・レーベルからデビューアルバムを出すことになりました。名前はHAYABUSAです。

 まだレコーディング中で、来年の初め頃には全米発売される予定です」

 「そうだったの。C・Cは大きな会社だから、日本やヨーロッパのマーケットも視野に入れているはずよ。がんばってね」

 「はい、イエス。サンキュー・ヴェリマッチ」

 「プロデューサーは誰なの」

 「ミスター・クインピー・ジョーンズです」

 「クインピーなの⁉ あの人むかし、わたしのバンドでボーヤしてたのよ。

 って言うことはジャズを歌うのね」

 「はい。スタンダードとオリジナルを二曲、それにAORの有名曲を数曲、ジャズにアレンジして収録の予定です」

 「ねえ、今なにか歌える? スタンダードでもなんでもいいから」

 「え⁉ 今ですか…… うーん、『レット・イット・スノー』ならワンコーラスくらいは」

 「あら、わたしその歌大好き‼ じゃあちょっと本気で歌ってみて」

 横でみのりちゃんが同時通訳してくれているので状況は見えている。

 レイジー・ママの五十センチ前で、直声の歌を聴いてもらえるチャンスなんてこの先二度とないだろう。『(がんばれはやぶさ君!)』と心で声援を送る。

 一呼吸おいて彼は歌い始めた。

 「オウ! ザ・ウェザー・アウトサイド・イズ・フライトフル……」

ワンコーラスを歌い終わるとレディーは

 「パーフェクト。あなたきっと成功するわ。

 ねえ『Surry With The Fringe On Top(飾りのついた四輪馬車)』はどう? 知ってる?」

 「歌詞はよく覚えてないけど、メロディーは知っています」

 するとレディーはタブレットを出してこの曲の歌詞を検索し始めた。

 「この歌ね、デュエットするととても楽しいのよ。やってみない」

 「やってみます。アカペラですか?」

 「やっぱり伴奏があった方がいいわよね。

 ロブ、ピアニカ持って来て」

 隣でニコニコしながら成り行きを見ていたロブちゃんが、私物のカバンからピアニカを取り出し持ってきた。

 「キーはCで大丈夫? じゃあロブ、イントロからお願いね」

 ロブちゃんがピアニカのマウスピースを加えたまま、動作でカウントを四つ打った。

 アドリブのイントロを急速調で吹いたため、ふたりとも歌に入ってこれず、笑い出した。

 「ロブ、それじゃ四輪馬車じゃなくて四輪駆動のRVよ! もっとゆっくりお願い」

 ロブちゃんが、今度はミディアム・テンポで吹き始め、二人はイントロの切れ目からキレイに入っていけた。

 ママはブロッサム・ディアリー風コケティッシュに、はやぶさ君はディーン・マーチンを思わせる、ちょっとおどけた感じでワンコーラスを歌い終わり、広間の全員がスタンディング・オベーションでふたりのパフォーマンスを褒め称えた。

 ママははやぶさ君とハイタッチして、聴衆に深々とお辞儀をした。


 レイジー・ママとはやぶさ君がデュエットしている最中に結菜ちゃんが戻ってきていたので、日本古来の伝統である全員による記念写真を撮る儀式が始まった。

 ママがセンターに来るのは当然として、最前列は御茶水夫妻、ファイヴ・カラーズ、年功序列のお情けで私と町田さん、それに国分さんが並んだ。

 二列目には結菜ちゃん・ロブちゃん・みのりちゃん・汐音・マロンちゃん・みずほちゃん・はやぶさ君・双子姉妹。

 幸運にもこの夜、勤務についていた仲居さんたちと女将さんが三列目に。

 カメラマンはフロント係の男性社員で、本人は写真に加われず貧乏くじを引いたものだと悔やんだが、プロカメラマン並みの腕を持つロブちゃんが、念のため自分の高画質カメラでも取っておこうと自らカメラマンをかって出たので、フロント係の男性も今度は三列目の下手に陣取ることができた。

 旅館の記念にと女将が従業員だけとの写真も一枚お願いしたところ、レイジー・ママは快く了承してロブちゃんが四、五カット撮り、その場で画像を確認してもらって後日、データと印刷した写真を旅館に送ることになった。

 日本ツアーが終わって一行が帰国した後なら、SNSなどで公表しても良い許可ももらったらしい。


 レイジー・ママ一行と階段を降りて玄関先まで行く途中、はやぶさ君がママにおずおずと話しかけていた。

 「あの、CDが完成したらオフィスに贈らせていただきます。

 またいつかお会いできることがあれば、ご挨拶させてください」

 「ありがとう。きっとすばらしいアルバムが完成するはずよ。楽しみにしてるわ。

 ニューヨークに帰っても見かけたら声をかけてね。同じ業界だからまたすぐ会えるわよ、きっと」


 結菜ちゃんの運転する車で一行が去って行った。

 《阿蘇3》四本は段ボール箱に入れられ、破損しないよう隙間にぎっしりとくしゃくしゃに丸めた新聞紙を詰めた後、しっかりガムテープで梱包してトランクに収められている。

 テールランプが見えなくなるまで見送って、私たちはまた広間に戻った。

 しばらく談笑してお開きとなり、それぞれの部屋に皆は帰って行った。

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