第6話

「さあ!さあさあさあ!!どうした超機ども!!その程度でしまいか?」


ビェントは上から風の刃でこちらを一方的にうちおろしていた


こうやって向こうの攻撃が緩むのを待っている最中に隠れている障害物が風の刃によって削り取られていっている


(一か八かだけど、俺が能力を使うしかないのか?)


家を出る前にシノノメ隊長に言われたことを思い出す


【一応能力を使う感覚だけ教えといてやる


いいか?能力を使うには何をしたいのかイメージすることが大事なんだ。その炎をどうやって打ち出すのか。それによってどんなことが起きるのか。


すべてをイメージしろ。能力は想像力が全てだ】


「ワズミ副隊長!俺の能力を使ってやつに隙を作ります」


「だめだ。今の君には実践経験が少なすぎる。それにな、」


といって銃で牽制をしていただけだったワズミ副隊長は足に力を込め、


「超機、なめんなよ」


一気にドアから駆け出す

空中に浮いているビェントはすぐさまワズミに狙いを定め右手を縦にふる


するとそれまでより一回り以上大きい風の刃がワズミ目掛け弧を描きながら飛んでくる


しかしそれを走って交わしながら、銃で反撃をする


それを左手を軽く払うことで3本の風の刃を横向きに発生させ防ぐ


しかしその間に後ろへと回り込んでいた隊員2名がビェントの背後から狙い撃つ


「ぐぅっっ!!」

血を吐き出す


弾丸はビェントの胴体あたりを貫いたようだ


「今だ打てっ!!」


全員が遮蔽物から顔をだして一斉掃射を再び行った


しかし、


「この、程度でっっ!!」


ビェントは自身の周りに凄まじい風の渦をつくり、

すべての弾丸を切り落とす


渦が解けるとそこにビェントの姿はない



「「ぐぎゃっっ!!」」


見ると後ろに回り込んでいた2人の髪の毛を掴んで持ち上げるビェントの姿が


「クソッタレがあぁぁ!!」


仲間をやられたことで激怒した隊員の一人が怒りに任せてビェントをうつ。


が、しかし、

生首を投げ捨てビェントは大きく跳躍し、左足を振り上げる


すると、大きな風の刃が現れ隊員が真っ二つになる



(うそ、こいつ今まで戦ってきた能力者の中でも頭一つ抜けて強い。もうこちらの戦力はキキョウくんを除いて2人しかいないじゃない。こうなったら私が自爆するぐらいしか、、、)


とワズミが考えていたときだった


「おい、ビェント!おまえの狙いは俺なんだろ!

かかってこいよ!!」


(うそ、キキョウくん!そいつは決して今のあなたが偶然で殺せるような相手じゃない!)




「見え見えのやすい挑発ですね。だが、乗ってあげましょう!!」


ビェントは両手を振り上げ空間をひっかくような動きをする


すると、10本の鋭い風の刃がキキョウに向かって一直線に飛んでいく


対してキキョウは手を前に突き出し、


(イメージしろ。イメージ。手から炎、あれを全部撃ち落とすぐらいの強い炎を!)


風の刃が見を引き裂く直前、


ゴオァァッッ!


凄まじい音とともに放たれた炎の矢が風の刃をものともせずそのままビェントへと向かってゆく


「だせた!」


ビェントはそれに対して体を急浮上させることで回避をした



「ビェント、おまえの弱点はもうわかった。投降するならいまのうちだぞ」

キキョウが言う


「弱点?そうか弱点か、、」

クックックッと笑い、


「私に能力に弱点などありはしない!!」


そう言い放つと凄まじい量の風の刃が現れる


「この攻撃に逃げ道などない!さぁ、どうする白井 桔梗!!」


キキョウは風の刃に手をかざす

のではなく、下へとむける


「とち狂ったか!」


ゴァッッ!!


手から放たれた炎によって体が上昇してそれらをかわす


さらにそこから後ろへと手をやりもう一度炎を噴射するとビェントめがけて一直線にキキョウが突撃する


「喰らえっ!!」


ゴァッッ!!


ビェントの顔を手で鷲掴みにしてそこから炎が放たれた


シューッという音を立てながらビェントの体は落ちていった



「すごいわ、キキョウくん!あんたやるじゃない!!」


地上に降りてきて、そうそうにワズミ副隊長にお褒めの言葉をいただいた


「ありがとうございます」


「それにしても弱点、あなたも見つけることができたのね」


「はい!ビェントは風の刃を打ち出したとき、

ワズミ副隊長の銃撃を渦の盾ではなく風を使って防いでいたことに疑問を覚えたんです」


そう、ビェントは風の刃と渦の盾、両方を併用することができなかったのだ


「なにはともあれ、ビェントを倒せたのはデカいわ!早く他のとこの援護に向かわないと」



といってワズミ副隊長はトランシーバーで連絡をはじめた

「こちらワズミ、ビェントの殺害に成功しました」



こうしてキキョウの超機としての初の戦闘は幕を閉じたのであった

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