第5話
深夜
「あのオフィスビルが奴らのアジトか、、、」
シノノメ部隊長がつぶやく
シノノメ班とキキョウは、オフィスビルを見下ろせるビルの上から暗視スコープを用いて様子を伺っていた
シノノメ部隊は3班で編成されており、
1班につき班長、副班長が1人ずつ、
それ以外の構成員が6人の8人編成となっている
既に、各班に分かれて展開しており、シノノメ中将はトランスレシーバーに向かい、
「現在時刻は24時13分。部隊の展開はすんでいるな?」
『こちら
『こちら
「それでは現在時刻をもって作戦を開始とする!!」
『『了解!!』』
通信を終え、今度は班のメンバーへと指示をだす
「とりあえず俺は単騎突撃をしてくる。│
ワズミと呼ばれた女性がこの班の副班長だ
ワズミ副班長は、
「了解しました。手はず道理に」
「任せたぞ」
と言い残し、シノノメ隊長はビルから飛び降りる
「それでは我々は後方支援と、漏れ出した敵の排除です。キキョウくん。あなたは何もしないでいいからね」
しかし、突如として突風が巻き起こり、風の刃がこちらへと向かって来る
「あぶないっ!!」
ワズミ副班長がキキョウに飛びかかり、ともに倒れ込みながら刃を回避する
「そんな悠長なことさせるとでも思いましたか?」
聞き覚えのある声だった
「ビェントぉぉ!!」
心の底から憎しみの感情が湧き上がる
「やぁ、シライくん。君には借りがあるからね殺させてもらうよ」
バラララッッッ!!
一斉掃射される
しかし、それらはビェントの生み出した渦によって弾かれる
「無駄だよ。そんな程度じゃあ僕に傷一つつけることはできないよ」
ビェントが手を縦にふると、風の刃が今度は2本飛んでくる
回避しきれなかった一人が装備ごと引き裂かれる
「全員、障害物へと身を隠せ!!」
その言葉にすぐさま屋内へとつながる扉の中へと身を隠す
そのすぐ後にワズミ副隊長が入ってきた
そうしている間にも他の隊員がビェントに対して発砲している。が、ビェントには傷一つつかない
ワズミ副隊長はトランシーバーで現在の戦況の確認をしている
「こちらワズミ!現在ビェントと交戦中!どうやらこの作戦は既にバレている様子!」
『こちらミスミ班。こちらも現在運び屋と交戦中!敵兵は3人います!』
『こちらアヤセ班。同じく、運び屋3人と交戦中!』
シノノメ隊長からの反応はない
(なんでこちらの作戦がバレているのかしら。いや、そんなこと考えている暇はないわ。今やるべきことを考えなさい私)
またもや隊員の1人がビェントによってやられており、現在の戦力はキキョウを含めて6人だ
(マズいこのままだとジリ貧になってしまうわ、、、)
この戦況を変える手立てはなにか、、、
単騎で特攻しているサクヤは周りに転がった能力者たちを意に介することなく、奥へと進んでいく
その体には目立った外傷はなく、すごい量の返り血を浴びている
その数は10を超えるだろうか
先ほどからトランシーバーには部下たちの声が聞こえているがどうやらかなりマズい状態のようだ
(早くここをでねぇとまずそうだ)
と考えていると横から視界を埋め尽くすほどのバスケットボールほどの大きさの鉄球が凄まじい速度で飛んできた
その一つを剣で切り、逃げるコースを確保して回避する
「はじめまして、シノノメ隊長。さすがの身のこなしねぇ。聞いていた通り化け物じみてるわぁ」
銀色の仮面をつけた女がどこからともなくあらわれた
「銀色、未だ確認のなかった色だが幹部クラスという認識でいいのかい?」
余裕をもって聞くサクヤ
しかし警戒は怠らない
(なにもないところから現れた。部屋にいた人間はすべて片付けていたはずだが、、、)
「えぇ、そうよ。銀色は幹部。今までの奴らとおんなじようにかからないほうがいいわよぉ」
「そいつは丁寧にご忠告どうも。だがその心配はいらないなぁ。」
「一応なんでか聞いておこうかしら」
「俺が強いから、な」
「その余裕今にもとってやるわぁ」
こうして戦いはさらに苛烈を極めてゆく
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