美少女幼馴染に、やっと言えた

「今日、帰ったら部屋行くね」


 つい先ほどまで、厳かな雰囲気の数学の授業を受けていたというのに、青葉はよくそんなことを言えるものだ。


 でも僕は青葉に求められて悪い気はしなかった。とはいえ大人しく従うにしても限度というものがある、こんな高頻度でやって許されるかわからない。


「待って青葉、あまり高い頻度でそんな淫らな行為に及ぶのは良くないんじゃないかな」

「……ごめん、春樹のこと好きだから求めたくなっちゃって。春樹が嫌なら、強要は出来ないよね、別のことしよう」


 青葉が本当に反省した顔をしていて、それを見ている僕は、下手なことを言ってしまったと心苦しくなった。


「いや、謝らなくていい。僕は嫌だってわけじゃないから」


 実際、僕は青葉との性交渉に抵抗を感じたことは一度もなかった。ただ、僕たちは未成年なのにそんな行動をしていることが少し後ろめたいだけだ。


 それから僕たちは、何度も何度も交わりあい、互いを求めあうようになった。僕も性交渉の快楽やその時の青葉の可愛さに惹かれて、どちらからともなく身体を重ね合う日々が続いた。


 そんなある日、行為を終えた後、僕は青葉が愛おしくなった。


 だから、言ってしまうのが怖くてこれまで言えていなかった言葉を、僕は口にしようと思えた。


「青葉、好きだ」

「うん、わたしも」

「僕、青葉に悪いと思ってたんだ。好きだって告げるのが、自分勝手な気がして。青葉はずっと僕のことを助けてくれたのに、そのうえ好きだなんて自分勝手だって」

「そんなことないよ。わたしはずっと、春樹に好きって言ってほしかった。でも、春樹のそういうところを、わたしは好きになったんだと思う」

「僕は、青葉のことを好きでいていいのかな」


 僕は不安で仕方がなかった。僕は父さんを亡くして、それから青葉に支えられっぱなしだった。だから、好きだなんて言って青葉にこれ以上求めるのは自分勝手だと思ってた。


 だからと言って、何年間もずっと抑え込んできたこの気持ちを、これからも抑え込むのは苦痛でしかない。


 青葉ならきっと、許してくれる。そう思う僕と、不安に思う僕が両方いる。


 青葉はすうっと思いきり息を吸った。


「もちろん。これからいっぱい、やろうか」


 それが後ろめたいとか不純だとか、そういう感情を抱く僕ではなくなっていた。これまで気持ちを抑え込んできた僕。それらをすべて性交渉にぶつけよう。


 僕は青葉に誘われるままに、部屋の扉とカーテンを閉めた。


「ふふっ、春樹は責任を取らないといけないから、わたしと将来結婚するんだよ」

「僕もそのつもりだ」


 僕は人と深く付き合うことが得意ではなかった。人はいつ死ぬかわからないから、いつ僕の目の前から去ってしまうからわからないから。そんな僕でも、青葉となら、いっか。そう思えたから頷いた。

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美少女幼馴染に夜這いをかけられた ナナシリア @nanasi20090127

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