第10話 昔の想い出ーー人間だったドラゴンーー
これはなんだろう。
そうだ、、、我が人間だった時のーー記憶??我になぜ人間の記憶があるのか。。
ヘテプレスス!!ヘテプレスス!!どこに行く?
王国にはようはない。。ヴィークレスがいる場所が俺の巣箱だ。
近くの街で二人の冒険者が囁き合う。
これはなんだろう。
ありがとういつもフィガロ様。
様付はもうよせというに。。(我の声だ。)
そうだ。墓の掃除の途中だったな。(我ながらおかしいな。)
もういいんですよ。
何が忘れている気がする。
誰の声だ。その者のイメージが出てくる。生きている我と同じ白銀の髪とあおい目。
おかしい。なぜ、こんなイメージが出てきて、我はそれを知っている?
待ってくれーーヘテプレスス、ヴィークレス!!
その瞬間ーー
【待ってーーーー黄金を】
『くそ、まだ足りないか!』『モト、マナをためましょウ!』
「この後に及んでまだ足りないか黄金が???へっ。」
【王国はーー王国はどうなった???我は誰だーー。】
訝しむように兄妹が我をーー私を覗きにくる。
【あゝ懐かしい、、、その黄金の瞳はもしや、、、ヴィークレスとヘテプレススの、、、、、、そうか。そういうことか。ありがとうありがとう。。】【ようやく自分を思い出してしまった。。あゝ遠かった】
竜が泣いていた。 その涙は美しかった。青い宝石の結晶だった、、、、。
竜は誰かの名前を唱えながら遠く意識を飛ばした。
そして死骸になった。意味深な遺言をつぶやいて。
竜はみるみるうちに王国の糧となった。死骸は土になり、、、涙は川になり、、、大気が雨へと変わった。
退治はあっけなく終わった。
あとは街に、、、王国に、、、戻るだけだ。
少しだけふたり兄妹に後味の悪い違和感を残しながら。
彼(彼女?)ーー竜ーーがつぶやいたあの名前はーーいや、、、いいんだー俺たちにはもう関係ないはず、、、。あとで王国みんなのいないところで墓を立ててやろう。この時なんとなく二人は考えた。
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