第8話 龍と、、、あいま見えて

俺たちギルド員たちは王国にきた神官たちを無視して、自分たちから竜の祠に出向いた。神官たちは慌てて追いかけてくる。滑稽だったが哀れでもあった。 きっと、竜からの叱責を受けるのかも知れない。その時こそギルド全員で総攻撃して竜であるドラゴンをとっちめる!


【供物と裏切りモノたちが自ら出向いたとは!笑えるではないか!神官たちはどうした?殺したのか】

そんな挑発を無視してヨルムは一言大きく言ってやった。

「へー。神官たちがいないのがそんなに不安かい?王国の盗人様さんは?」

「人間たちを殺しているのはアンタでしょ?」

ヘミングたちは少し慌てている。『アンデット』たちは平然としている。その反応の違いを確認しつつ考慮すると。つまりは、竜はこの状態を想定していなかったわけだ。

【我の思考を移すことは禁じたはずだぞ!エネルギーしか使えない元供物たちよ!!】

どうやら『エネリスト』たちの名付け親だという俺たち兄妹の考えていたのは違うらしい。王国の街での総称のようだ。

「つまり、神官たちの方を信頼しておきながら、自分の力で強くなる人間に怯えていたわけかあ」

「くだらないことね?」

兄妹たちが挑発的につぶやいた。そのつぶやきを鋭い聴覚で聴き分けたのか。ボゥっと怒りの炎を口からを出す。


炎を出すとは思えない。ヘミングの述べた雪化粧とはよく言ったものだ。なんと白いのだろう!そしてその美しさを新たに碧色の眼球がうるうるとらんらんというか輝きを増していた。

見惚れている間に、ヒューーーと聞き取れるか聞き取れないかのような奇妙な音を立ててきた。

そして『エネリスト』に変化が起きた!みんな、頭を抱えている!

そうだった!精神を『エネリスト』には通じているのだ!早いこと解決しないと!

合図を送って『アンデット』と一緒に、火事場の馬鹿力を発揮しようとするヨルムとローズ。『アンデット』ほど力はでないが、剣がある。弓矢がある。

さあ!今から!


王国の存亡がかかっている。


ドラゴン退治の始まりだ。


そして、、、何より過去の因縁を断ち切る戦いでもあった。





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