第2話 黄金の瞳を持つ二人の兄妹

【今日の収穫品はどうであったかー】厳かに神殿でねぞべりながら龍は問いかける。息吹のかけらを乗せて神官に問いかける。龍たちは気まぐれで人間たちから収納をさせたがる。

人間の時間がわからないのだろう。

今日は何か知らないが神官たちの様子がおかしい。

「ーー〜〜そ、そのことなのですが、、、。」

もう顔から血が引いた顔面でニオイを察した。

【またもや反逆者か?】

「ーーそうです!あの、、、いつもの二人です!黒と赤の兄妹です!!反龍ギルドが!人間たちが匿っています!!」


内心、、、龍は心底楽しんでいた、、、まさか本気でこんな我々にとっては取るに足らない人間が。人間如きなのに。歯向かう人間たちがいるとは思わなかった。存在を楽しんでいる自分がいる。しかし、神官たちや下僕たちには悟らせないようにした。


【愚か者!!あの双子はどうあれ今日の供物を差し出せ!と、、、伝えろ。さもなくば氷の息吹が秋を襲うだろう。。】イライラしたように炎をちらつかせる。尾をあげて翼をざらつかせる。こんは仕草で怯えるなぞかわいい生き物なぞよ。




、、、ーー時はその夜。。〜〜♪♪♪


ここは龍の支配下の王国。支配下なのに王国とは滑稽だが。


その辺境で焚き火で暖をとっている若者2名他数名。

「ヨルムン兄貴ーー?!今日はどの神官を相手にする?」妹の、粗雑でも愛くるしい声で我にかえる。

俺はヨルムンガント。ヨルム、、、とかヨムにぃとか呼ばれている。黒い髪の毛がうつとしいくなびいている。妹を映す瞳は黄金。

とうに20は過ぎた。恋人にはいるにはいるがいつも夜が来る前に相手から平手打ちだ。

「神官だって元はここの国の人間のようだからなあ。あまり虐めたくないんだよなあ。」

うんうん、、、と妹、、、赤毛が美しい炎のように輝く女、、、アヴィローズ(通称ローズ)がうなづく。彼を映し返す彼女の瞳も黄金色だ。

この黄金の瞳は俺たち母親からいただいた生まれてきた証拠ーー宝だ。


ここにきた経緯はまた今度話すとして此処での俺たちの立場を紹介する。

数ヶ月前ここの王国に来たときのこと。


つるぐさわされて目隠しされて、手に錠をかけられて引きづられていく子供たちを見かけたのが運の尽き。


龍だのなんだの知らんからさ。

暴力万歳で止めたわけよ、、、そう言うわけ。

て言うか許せんとかいうのが上回るので上手く暴力を振るいつつ子供達を助けようと、連れて行こうとする輩たちをぶん投げてはぶん投げてはぶん投げてはぶん投げてまぁぶちのめした。。妹のローズもその時な。危ないと分かったらすごい動くぜ。


見事なことにこの王国の犯罪者と同時に英雄になっちまった。て訳。

事情を知らないって怖いね。





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