第3話 ドラゴン(もしくは龍)への反発を持ったその名は

二人の美しい兄妹が来た時、あの瞬間、私ーードラゴンの使い魔として王国の監視として留まっていた『エネリスト』ヘミングーーは、奇跡を信じた。

ドラゴンに手のひら返した神官たちに連れ去られる子供たち。それをぼんやり見守っていた時。何かがおかしい。わからないがやめて欲しい。どうにかならないか。

そう願っていた時、英雄とも蛮勇とも言える無茶振りをした二人が現れた。彼彼女らがたった二人で神官たちを薙ぎ払ってしまったのだ。子供達は食べられずにも実験体にされるにもならずに済んだ。


話は変わるが、主に、龍は手下として、自分の肉を与えて覚醒した不死身の怪物『アンテッド』。血と鱗を飲ませて無理矢理同族にした、そして【マナ】という空気中のエネルギーというモノを扱う神覚したもの『エネリスト』。たちを、使う。私がソレだ。人間世界では不純な生き物だ。それらの者たちを創り上げるにはされる側の適応力が必要で、ことあるたびに人間の生贄を捧げろ、というのはそのためでもある、、、。


それらが元王国の人間たちだというのはもうなかったことになるのだ。

私たちの顔見知りもいたりしたが、もう相手の方は自分に(まるで龍の自惚れのように)泥酔して、龍に心酔して、王国を支配する側になるのを見るのは心が痛かった。苦しかった。そこに思い至るまで、あの時を要するまで、それさえ普通だと感じていた。

私だって側から見たら、龍の手先として恐れていられる立場だったのだそうだ。


のちに、反ドラゴン騎士団ギルドを立ち上げる時、何を言い出す?と仲間たちに言われたのだから。

もちろん、今でも信用はあまりない。

一応信用される出来事があった。

彼女、ローズがギルド内の荒くれものたちとスパイたちから受ける被害に関しては、今は口を閉じよう。


そして話は戻る。

突然の儀式に怒りを表した黒髪が美しく長く靡く体格のいい男、おそらく成人だろう、神官たちから子供たちを救った。もう一人…紅の髪色という不吉な色ではあるが、美しいと言わざる得ない髪色の、艶っぽい美少女と言えるほどできた器量良しが神官たちをナイフ?のような得物でカスリ傷を負わせて脅していた。

その時は王国へスパイとして潜っている『アンデット』も『エネリスト』も同席していなかったのも幸運がついていた。運が彼らを運んできてくれたのだ。

そう、大勢が思ってしまったほど、私たちは自分たちが疲労していたことにようやくその時に気づくこととなった。自分たちの立場が異常だというのも一息ついて気づく事ができた。私たちは疲弊していた。だからといって幼い命を犠牲にすることになる理由はない。


ドラゴンは私たちの敵だ。支配されるのはおかしい。

助け合ってドラゴンたちへの反抗を試みなくては!!こんな苦痛から逃げるのでなく、立ち向かうべきだと。

そこで反ドラゴンギルドを立ち上げる声があったのだ。

美しい兄妹の二人は受け答えで即時に賛成してくださった。

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