第4話:バッドピーポー。
それは夕方のことだった。
「お邪魔しますよ・・・しばらくですな博士」
そう言って研究所に入ってきたのは
「なんじゃお前・・・勝手に人の家に入ってきて不法侵入だぞ」
この詐欺沼と言うやつは、最近博士につきまとってる男で、見た目顔色が
めちゃ悪くて病人みたいでげっそり痩せた骸骨みたいな不気味な男だ。
バッドピーポーって組織のものだと言って以前名刺を置いていった。
「おまえらに用はないぞ」
「いやいや、博士・・・先日いいもの見せてもらいましたよ」
「あんたんとこの可愛いお嬢ちゃん・・・メイドのコスプレした・・・」
「普通のかわい子ちゃんじゃなさそうですな」
「SNSで、頻繁に動画が流れてますよ」
「悪いことは言わんから、素直にお嬢ちゃんを引き渡してもらえませんかな」
「誰が・・・どうせおまえらメイを悪いことに利用しようと企んどるんじゃろ」
「なにもタダであの子をよこせって言ってるわけじゃないんですよ」
「10億でどうでしょう?」
「まっぴらごめんじゃ」
「1000兆円積まれてもメイは渡さん」
「かえれかえれ、わしは忙しいんじゃ」
「手荒な真似はしたくないんですけどね」
「まあどうしてもダメと意地を貼るなら武力行使ですな」
そういうと詐欺沼は研究所の裏からどこかに消えた。
詐欺沼が言ったように20名ほどの武装集団が博士の研究所を囲んでいた。
その頃メイは、研究所のプレハブにいて 研究所とプレハブの周りに
潜むあやしげな影をとっくの昔に察知していた。
メイの特殊能力はたとえ壁で敵が見えなくても人の体温を感知して敵の
位置を いち早く察知する能力があるのだ。
(数は約20人・・・武器は・・・H&K P9SにH&K MP5)
メイは、まずプレハブの周りにいた男たちをひとりずつ片付けていった。
残るは研究所の周りにいる15人。
さすがに15人は一瞬と言うわけにはいかない。
武装集団はひとりづつ研究所の中に入ってきた。
ぐずぐずしていると博士が危ない。
メイは、自分が気を引いて博士を救おうと思った。
武装集団Aが言った。
「蜂の巣になりたくなかったらおとなしく言うことを聞くんだな」
「一個師団で襲ってきても、メイは倒せんぞ」
「いくら強くても、素人の小娘相手に我々が負けるわけないだろう」
「そうか、どっちみちもう遅いがな・・・」
武装集団Aが研究所の裏手を見るとメイが仁王立ちで立っていた。
憤慨したため髪はブルーからピンクに変わっていた。
メイが激怒すると髪の色が変化するのだ。
すると武装集団Aがメイを狙って撃った。
訓練された連中だから腕はいい・・・でも撃った弾はメイをかすめた。
メイは飛んできた玉をヒョイっと軽く避けた。
メイのメイド服に穴は開かない。
「私の胸を狙ったでしょ・・・スケベ」
「あんた、一番にやっつけちゃうから・・・」
今の銃の音を聞いて新一も察して家から出てきた。
「プレハブの周りにいたおっさんたち全部やっつけちゃったからね」
「嘘だろう」
「あれだけの精鋭を・・・こんな短時間に5人も倒したって言うのか」
「メイ、大丈夫か・・・博士は?」
新一があわててやってきた。
「大丈夫だよ新一」
「新一は危険が及ばないところに隠れてて」
しばらく平和が続いてるうちに新一はメイにとってはかなり大切なひとりに
なっていた。
どうせ、いても役に立たないと思った新一はすごすごとプレハブの隅に隠れて
様子を見ることにした。
「これだけは言っておいてやる」
「メイの能力はまだほんの一部、覚醒しただけじゃ」
「いまのうちに手を引くんだな」
博士が武装集団Aに言った。
「くそじじい・・・いくら強いったってこっちだってプロだ、 素人の
小娘相手に負けるわけがないわ」
「んじゃな、試してみ」
「メイは無敵じゃ襲ってきても情けない結果になるだけのことじゃ」
武装集団Aは銃を二発天井に向けて発射した。
「雨漏りしたら弁償させるからな」
その合図とともに武装した男どもが一斉に攻め込んできた。
そいつらの動きはさすがにプロ、素早く無駄な動きはなかった。
だが、そいつらの動きよりメイの動きのほうが数倍早かった。
世界最強のメイドは動いた。
つづくぞ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます