第4話 another day 【タイトルマッチ中継】

総合体育館はおそらく満員になるだろう。


なにせタイトルマッチだからなー。


中継も大変だ。技術スタッフさんも大勢来るし。連携を図らねばだ。


興行前のリング設営を眺めながら僕はそんなことを思っていた。


そこへチーフ登場。チーフは中継の時はいつも、ちょっと派手な格好で化粧も濃い。


チ「おはよー」


僕「あ、おはよーございます」


チ「中継準備諸々オッケー?インカムとかもよ」


僕「はい、バッチリっす」


チ「キミッちのバッチリはあてにならんからなー」


僕「いやーそれほどでも」


チ「褒めてねーから」


僕「すいやせん💦」


チ「あ、そうそう、弁当どうした?」


僕「あ、任せてください、いつものポカポカ弁当でいっぱい発注しときましたよ。絶対余りますからゲットいけます」


僕は胸を張った。完全な段取りと思った。しかし、チーフはキレた。


チ「あのさー、言ったじゃん、中継の時の弁当は注意してって、技術さんたち弁当が前と同じだとすごく機嫌悪くなってその後やりづらくなるんだから、ポカ弁はこの前と同じじゃん。どーすんのよー」


僕「す、すいやせーん💦。でももうキャンセルできないしなーどうしよー」「ちょっとリスケしてみます」


チ「リスケって何よ💢何でスケジュールを弁当に寄せんのよ、弁当を寄せなさいよ」


僕はめげずに根気強くリスケした。


すると現れてくれたのです。


リスケの女神が。もはや勝利の女神にも等しいです。


👸「お弁当のことでお悩みなのですね。お任せあれー✨」


👸が魔法を唱えると、あら不思議。


リニア開通問題が急遽解決して、この体育館を通る駅ができて、駅弁がわんさか来ました。


解決です!


女神にもちょうどいい入場曲を作ったので送ろうと思ったら、もういなくなっていました。


僕は僕のチャピオンベルトにバミりました。

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