第33話 次に向けて
「退学でも構わない?本当にそう言っていたのか?」
「えぇそうです。もし望むのであれば、本人に話を聞きましょうか?本人から話を聞けば、あなた達も納得するでしょうし。というか…どうしてそんなに焦ってるんです?」
「いや。焦ってなどいない。ただ、退学でも構わないという理由が知りたいのだ。普通は学歴というものを気にして、退学というのを嫌うのではないかって思ってな。」
「なるほど。たしかに普通の人であれば、学歴というのを気にしてそのような判断に至る人は少ないかもしれません。ですが、そうなったとしてもどうとでもなります。頑張れば普通の人よりも早く社会人生活を歩むことだって出来るでしょう。」
「それもそうだが…」
「おそらくですが、そういったことも考えているのでしょう。本当に賢い子ですよね。」
「そうですか。」
「さて…もうほとんど話をすることが無くなってしまいましたね。取り敢えず話を聞くことが出来て私は良かったです。」
「それなら良かったです。」
「えぇ。ですが話が終わっただけです。もう少しだけ俺に付き合ってくれますよね?」
「はぁ…拒否権など無いに等しいだろう?」
「さぁ?別に俺は拒否しちゃ駄目なんて言ってませんから。拒否してもらっても結構ですよ。もちろん拒否はされたくないですけど、拒否されてもしょうがないかな〜って感じです。」
「…分かった。でもそれでもう終わりにしてくれよ?」
「大丈夫です。後は簡単なアンケートのようなものですから。」
「分かった。それじゃあわたしたちは何をすれば良い?」
「今からお見せする人物に心当たりがあるかないかだけお応えください。正直にお応えいただけると…俺としては嬉しいですね。」
「何枚だ?」
「たったの二枚ですよ。それじゃあ一枚目です。こちらの人物に心当たりがあったりしますか?」
「う〜ん…私はないな。教頭先生。君はどうかね?」
「私もありませんね…冨士山先生。どうですか?」
「そうだな…俺も心当たりはないな。後は…鈴音先生になるが、鈴音先生はどうだ?」
「いえ…このひとには心当たりはないですね。というかこの写真に映っている男を私達に見せて…一体何を考えてるんですか?」
「怪しい調査とかではありませんから。それよりも次です。次が本命と言っても過言ではありません。先程提示した男も男ですがね…」
そう言って俺は一枚の写真を見せた。一枚の写真には1人の女性が写っている。そしてその写真に写っている人物…それすなわち現在監視をしている女だ。
翔太に対して大きな損害をもたらしたクソ女…こんな事をしなければ今まで通り過ごせていただろうに。でもしてしまった以上、しっかりと代償を支払ってもらわなければいけない。
「えっと…この人物で良いんだよな?」
「えぇそうです。そこの写真に写っている女性に心当たりがあれば言ってください。無いようでしたらそれで構いません。今いちばん重要なのは、心当たりが歩かないかです。なければそれで結構です。」
「この女性には…無いな。心当たりはない。」
「同じく。私も心当たりはありませんね。その…こちらの女性は誰なんです?」
「今は気にしなくて結構です。いつかは分かることですから。それよりも学年主任の先生。どうですか?」
「そうだな…申し訳ないが、私にも心当たりはない。」
「そうですか…ではクラス担任の先生はどうですか?」
「…」
「どうされましたか?」
「私…この人の事知ってます。」
「知っているのか鈴音くん!!」
「はい。この人の事知ってます。確か同じ大学に居た人です。」
「なるほど…ではクラス担任以外の先生はもう大丈夫です。」
「あぁ。だが鈴音先生との話もなるべく早く終わらせてあげてくれ。」
「もちろんですよ。下手に長引かせるつもりは全くございません。ですが話をしないといけないのもまた事実なのですよ。」
「それもそうですね。」
「さて…それじゃあお話ししていただけませんか?」
「…構いません。ですが、1つだけ条件があります。」
「なんですか?」
「何故彼女のことを調べているのかです。しっかりと教えてくれなかったら…話し
ません。」
「分かりました。しっかりと説明をしましょう。」
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