第34話 追及と釈明

「さて…これで他の人はいなくなりましたね。それではお話しましょう。何故君と彼女の関係を聞くことになってしまったのかを。」



「…お願いします。」



「まずは何故彼女の事を調べることになったのかという質問ですが…実は貴方もある程度予測がついているのではないですか?」



「そんな事はありませんよ。それよりもお願いします。」



「分かりました。彼女の事を調べることになった理由…それは、菊池翔太君に対して危害を加えた可能性があるからです。」



「そう…なんですね。」



「えぇ。信じるか信じないかはあなた次第ですが、危害を加えた可能性が高いと私達は考えています。」



「…」



「さて…それでは次は貴方の番です。貴方と彼女の関係をお尋ねしても?」



「…彼女と私は友達とまではいきませんが、普段から話をするくらいの仲でした。きっかけは大学でのテストのときでした。あの時に課題を見せてくれって言ってきたのが始まりです。」



「なるほど。大学からの仲なんですね。」



「そうですね。」



「では彼女とは結構仲がいいという風に解釈をしてもいいですか?」



「いえ…確かに彼女とは少し仲が良かったかもしれません。でも正直言って一方的に利用されるような関係だったので。正直なんともいえません。」



「あ〜つまり、彼女から課題を一方的に見せてくれって何度もせがまれたって感じですかね?」



「そういう感じです。忙しくなくて、課題をやる時間がたっぷりあったとしても、彼女は遊んでばかりだったので。そのせいで毎回ギリギリでした。」



「…あまりいい関係とはいえませんね。」



「そうですね…でも正直言ってその関係を切ることも出来なかったんです。」



「どういうことですか?」



「私は高校のときは、沢山の友達に囲まれていつも勉強していました。時には一緒にゲームをしたり、旅行に行ったり…毎日が楽しかったです。でも大学では皆と別になってしまって…そのせいで大学ではいつも一人だったんです。」



「そうだったんですね…」



「はい。話しかけてくれる子とかは確かにいたんですが、なんというか結局会話が弾まなくて。それで結局話をしなくなってしまいました。」



「会話が弾まないと自然とそうなってしまいますよね。俺も理解できますよ。」



「ありがとうございます。そこに話しかけてくれたのが彼女なんです。彼女とは不思議と話が弾んだので、なんとか友だちになりたかったのですが…彼女が話しかけてくるのは、決まって課題を見せてくれって言ってくるときだけでした。」



「なんだかこっちが辛くなってきましたよ。」



「はは…すみません。」



「いえいえ。お気になさらずに。それよりも、彼女と最近連絡を取ったりしましたか?」



「いえ…先程もおっしゃった通り、私に連絡をしてくるときは大抵何かを要求してくるので。そういう状況にならない限り、彼女が私に連絡をしてきたりすることはないと思いますよ。」



「ふむ…そうですか。話をしてくれてありがとうございます。」



「いえ…こちらこそ迷惑をかけてしまい申し訳ありません。それに菊池君の件も本当に申し訳ありませんでした。」



「俺に謝るのではなく、彼に直接謝罪をしてあげてください。少なくとも謝罪をしたいならそうするべきです。」



「それもそうですね。菊池くんに今度あって謝罪をしたいのですが、会うことって出来ますかね?」



「それは俺にはわかりません。彼について詳しく知っているのは私ですが、全て知っているというわけではありません。彼には彼なりの考えがあります。私の一存で決めることは出来ません。」



「そこをなんとか。彼と話をしたいのです。彼女の話を聞いて納得しました。彼女は元々あぁいう事をするような人です。菊池くんと彼女を天秤にかけるとすれば、菊池君を選びます。」



「そうですか。懸命な判断です。しかし、この後の事は俺に任せてください。」



「勿論です。本職の人に口出しをしませんよ。これが関係ない赤の他人だったら、こんなことはいえませんが菊池くんと多少なりとも関係を持っているのなら…お願いします。」










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