第二十七話「リーダーの安堵」

一周目最後に投げるのはヴァレッタ。

「行きます」

無言での投擲。結果は六ポイント。

「皆さんかなり筋が良いようで、驚いてます」

思わずそんな感想を述べてしまうほど、彼女達の筋は良かった。

その後も白熱した戦いが続き、結果は――

「ファルナ様&ステイミーさんチームの勝利です!」

「やりましたわファルナ様!」

「は、はい!わたくしも嬉しいです」

手をとって喜び合う二人。最初は心配だったけど大丈夫で良かった。

「あーあ、負けちゃった。でも楽しかったわ」

片付けを始めた私のところにティーナもといエリナが来て言った。

「それなら良かったよ。ところで――」

「なんでアタシがヴァレッタと組んだか、でしょ?」

その通りだ。私は無言で頷く。

私はてっきりエリナは元々親しいステイミーと組むと思っていたのだ。

「簡単な話よ。あの二人が仲良くなれれば良いかなと思っただけ」

「なるほど」

「アタシ達みんな仲良くモルックを楽しんだ。これならさすがにあの子も文句言わないでしょ」

「……そうだね」

私はここへ来てようやく心の底から安堵することができた。

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絶望神回避~おせっかいモブはクズな転生ヒロインを更生します~ チェンカ☆1159 @chenka1159

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