デュアルシスターとお祝いの日



 その日は騒がしかった。


「ギャァーーーーーーケーキが!」

「サラ!それはやっとくからケーキ頑張って直して!まだいける!まだいける!」

「おねぇぢゃん!」

「サラお姉ちゃん、これは!?」

「ここでこの中に入れて!」

「お姉ちゃんも頑張るぞい!」


とんっ


「あ"」

「お" ね" ぇ" ぢ" ゃ" ん" ! ?」


 お誕生日ということでケーキ作りに勤しむ姉妹。それを手伝う子供達……とドジる姉妹。

 近くのお菓子屋にケーキを買いに行く予定だったが、『お姉ちゃんのケーキが食べてみたい』との一言で数日間に渡る準備が始まった。そのお菓子屋にはちょっとしたお菓子を頼んである。取りに行く予定を組んではいたが、多分無理と察して配達を頼んである。


「皆はご飯を頑張って!ケーキは任せてね!あとお姉ちゃんは向こうでおすわり!」

「わん」



 どうも色々とあったお陰で、そしてあの食い意地の張ったコンビとお友達のお陰で、自分に備わった能力を何とか物にすることが出来た。なのでケーキが倒れそうになっても、火傷をしてしまっても大丈夫なのだ。

 なおそれに気を配り過ぎて肝心の本人がカバガバになるという結果である。


「それにしても皆がお手伝いしてくれてほんとに助かってるよ!ありがとね!」

「サラお姉ちゃんはいっつもドジしちゃうし」

「私たちががんばらないと」

『ねー!』

「ちょっと悔しい……それとそこの姉混ざるな」


 幼い子供達とキャッキャする姉の姿に若干ピキりつつも完成。席に着かせておうたを……


「美味しい!」

「こら姉ェ!」


 にへへ~と笑う姉にぷんすこしつつ、内心では子供達が笑顔になったことに感謝する。


「それじゃ、皆で歌うよ!せーの!」



 勿論だが、子供なのでご飯でも騒がしくなる。それをどうにか抑えつつ自分も舌鼓を


『お菓子をお届けに参りましたわ!』

『ああ……!!待ってください!』


 来客のようだ。咀嚼していた料理を嚥下しつつ席を立つ用意をする。


『貴方達が渇望していたお菓子ですわ!さぁ!さぁ!!!』

「はーい今行きます!!!!!!どちら様ですか!!!!!!!!」

『お菓子を!!!届けに!!!参りましたわ!!!!!!』

『お菓子屋さんから届けものです…』

「分かりました!!!!!!!もうこら、離して!ねえお客さん来てるの!こらっ!」


 サラお姉ちゃんどこ行くの?うんうんする?としがみつく子を引き剥がして扉へ向かう。


『そ、そう!!!キャンディのお届け物ですのよ!!とっても甘いボンボンですわ~!!!』


 扉を開くと、若い男女が立っていた。女性はお嬢様らしい服装と身だしなみをしている。


「ありがとうございます!その、うちの子達うるさくて……すいません」

「いえいえ… なんか あの こちらこそ…………」

「元気なのはなによりですの!!!ねぇ貴方もそう思うでしょう!!」

「元気すぎても問題なんですよ………!」


 とりあえず姉を召集する。


「おねぇちゃぁああああああん!来てぇええええええ!」

「どしたのサラ~……あらまあ」

「仕方がないわね...ほら、ボンボンはこちらに。それで小さなお嬢さん方も喜ぶでしょう」


 にこやかにお嬢様はラッピングされた袋を渡してくる。ビクビクと震えているように見える男性もしっかりとこちらを見ていた。その後多少雑談をして2人は帰っていった。店主の代わりにお使いをしていたようである。


「珍しいお客さんだったね、お姉ちゃん」

「お嬢様なんて珍しいね~」


 ふふふ、と笑いながらテーブルに戻る。


「……あれ?」


 料理が全て消えていた。あれ……?そんなに食べてないよね……?疑問を抱きつつケーキを引っ張り出して乗せる。切り分けて大きいのを主役に渡す。貰った苺の一番大きいのを乗っけて、


「くちゅむ」


ぱたり


「ぴぃーーーーーーーーーーーーーーー!」

「お"姉"ち"ゃ"ん"!めっ!めっ!」

「ぴぇ……」


 くしゃみをしたら倒れてしまった。許して。







このお話はセッションの本編に沿うように製作しています

シナリオは……公開しないでち

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