幼なじみに会う

 紫式部は、言わずと知れた『源氏物語』の作者である。

 ある日のこと。

 彼女が歩いていると、向こうからむかし仲良かった女性がやって来た。

「にゃあ」

「お久しぶりにゃ」

と、お互い挨拶したものの、そのまま相手は去って行く。紫式部は

「久しぶりに巡り会ったけど、それがにゃんとも分からないうちに雲に隠れちゃった月のようなあにゃたですにゃ」

と、淋しそうに歌ったという。

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