ココロ変わりなんてしない

 大弐だいにの三位さんみは紫式部の娘で、本名は賢子。長じて後冷泉天皇の乳母となり、従三位に叙せられている。

 あるとき、むかし付き合いのあった男が

「最近冷たいけど、わたしを嫌いににゃったのかい?」

と、言ってきやがったので

「有馬山あたりの猪名の笹原に風が吹くと、『そよ』って音がしますにゃ。どうしてわたしがあにゃたを忘れるというんでしょうにゃ?」

と、返した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る