第2話 遺品整理の先に広がる謎

 伯父の葬儀が終わり、俺と父親は土日を使って伯父が残した人形の整理を始めた。


 俺が伯父の家の人形の整理に力を入れていたのには理由がある。

 これまでの10年間くらい、あまり仕事面でも私生活でも良いことがなく、知り合いの紹介で占い師に見てもらったことがあった。

 雑誌などにもたまに出てくる女性の占い師さんで、いわゆる霊視占いというやつで、半信半疑で見てもらったが、誰にも話していない情報などをズバズバと言い当てて、結構適格な指示をしてきたのを覚えている。


 そんな占い師さんに「どうすれば、悪い流れを変えられますか?」と聞いた際に、そこまでズバズバと言い当てていた占い師さんが急に目を細めて「女性? 女性かしら? よく見えないのだけど、女の人に気をつけて……」と曖昧なアドバイスをしてきたのが気になっていた。


 その後、神社でおみくじを引くと大吉や凶に関係なく、女難に気をつけるよう書かれているモノを引くことが多く、ずっと気になっていた。


 伯父の集めていた人形たちは性別で言えば、女性の姿をしたものしかなく、占い師さんが「よく見えないのだけど、女性?に気をつけて!」と言った言葉がピンと来て、「これを何とかしないと大変なことになる!」と思い、父と人形の整理を始めた。


 最初は廃棄も考えたが、少し不憫に思い、ネットで人形供養をしてくれるお寺を探して、箱に詰めてお寺に送ることになった。


 しかし、この作業が結構大変で、父親と伯父の部屋に入った際に勝手にエアコンのスイッチが入り、足元でリモコンを踏んだかと思ってリモコンを探したが、リモコンはちゃんと壁にかけてあったり、父親も急に「疲れた」と言い出し、しばらく作業をしたくないと言い出したり、俺自身もやたら人形が夢に現れるようになり、奇妙な出来事が続いた。


 それでも土日は姉にも手伝いに来てもらい、少しずつ人形は減って行った。


 


 

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