第4話 愚痴ってなんぼ!
幸来(サラ)の職場に2人の中途採用者が入ってきた。20代と40代。年下と年上だ。
最近は、10年以上も勤めてると、無言の圧というものがありそうで最初は仕事を教えながら様子を伺うことにしている。
その間に、他の社員から新人さんと呼ばれる2人に関する話が意図せずとも入ってくるのだ。
質問をしてこない。
メモを取らない。
勝手に判断する。
質問は
(何を分かってないかが分からないのに質問できないよな...)
と思って聞いていたが、メモと勝手な判断は見逃せない。
(その判断を質問したらよいのでは?)
とふと思う。
一緒に資料作成の作業をすることになり20代の新人と会議室にこもった。
こんなとき、もちろん手を止めることはないが幸来は雑談をする。
(上司や先輩に見られたら怒られるかもしれないが...)
雑談は仕事をする上で大事だ!というのが持論だ。
休みの日は何してるのか。
仕事はどんな感じか。
好きなことは何か。
もちろん、相手の空気を読んで聞いてほしくなさそうなタイプには控えるのだが大抵は好きなことをありったけ話してくれる。
空気がほぐれた頃に、必ず聞く質問を今日も投げ掛けた。
「ちゃんと愚痴ってる?」
ここで
「はい!」
という人はあまり居ない。過去数名は居たが...
愚痴を言うのは大事だと幸来は常に思う。
ストレスが溜まっては、ただただ職場が苦痛な場所になってしまう。
「幸来がうるさいんだよ~とか言える相手が居れば言ってもいいんだよ?ただ、相手と場所は選ばないといけないけど。あと、一応注意されたことは1回は自分に落とし込もうね。次注意受けないためにも落とし込んどいた方が良いものは素直に受け取っとこう。これ、経験談。あと、ただの悪口はやめてあげてね。」
なぜか、「相手を選べ」というところがツボに入ったらしい。
「分かります~」と笑いながら返された。
以前、同期にちょっとした愚痴をこぼしたら、思いっきり誇張されて広められたことがあった。
恐ろしい。
年の差はあれど、新人同士で情報共有をしているとのことだったので幸来は少し安心した。
正直、あまり愚痴られたくはないが立場少し上になった時に多少の覚悟はした。
それを恐れては注意もできない!
と「どっかの武士か!」という突っ込みを受けたが、風変わりな上司がいても良いか♪と割りきって今日も仕事をしている。。。
オンオフ。~スイッチオン幸来(サラ)のヒトリゴト~ ペンサキ(先)。 @pensaki-202312
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