第4話 部活動はお決まりかな?
「そこのおふたりさま、部活動はお決まりかな?」
眼鏡をかけた上級生が、人当たりの良い笑顔で声をかけてきた。
僕と女の子は、それぞれ首を横に振って「いいえ」と答える。
青年は僕らの反応を確認して、話を続ける。
「僕は魔法剣研究会の……部じゃなくて同好会なんだけどね? 僕はその会長をやっているんだ。キミたち、もし部活動が決まっていないなら、いっしょにどうかな?」
「へえ、研究会って言うと、魔法ついての? 剣技についての?」
「両方だね。年に一度の魔法剣士の全国大会を目指して、会員同士で意見交換するんだ」
「魔法と剣技の情報交換ですか! それはすばらしい集いですね!」
女の子が、目を輝かせて「お誘いありがとうございます!」と答えた。
「でも待ってください。私と彼はこれから剣の手合わせをするんです」
「そうなのかい?」
「違います。そこの人が勝手に言っているだけです。僕は帰ります」
「ええっ!? 冷たい!?」
だからそんなに全力で驚くなよ……断りにくいだろ……
おろおろしている女の子。
彼女をふびんに思ったのか、上級生の青年が口をはさむ。
「うーん、模擬試合をするなら教員の許可がいるよね。ちょうどいいから、すこしだけ、この学園のルールを説明してもいいかな?」
天の助けだ! センキュー先輩! 僕は内心で先輩の良識を称えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます