第14話 ベス10歳
*6年前、日本 母
ううう~~~彩ちゃん・・・・痛かったよね・・・・私たちよりも先に逝っちゃったのね・・・
何でよ・・・・何で? ねえ、彩! 返事しなさい! お母さんの言葉が聞こえないの?
一応、病院で、綺麗にして貰えてよかったわ、顔はそんなでも無かったしね・・・
遺品で戻ってきた中に、彩の推しメンの雑誌があったけど、ボロボロじゃあないの・・・
あの日は、別の雑誌の発売日だったんだよね? そっちが本命でしょ? 買えなかったのかな?
それに、ミキちゃんが言ってたけど、
何か、さんざんだったのね、そのあとに・・・・
ねえ、彩? あれから毎日、敏生君が家に来てあんたに手を合わせているのよ? 彩は見えないのよね?
でも、彩、あんたあんな酷い怪我というか身体の損傷だったのに、顔は・・・苦痛じゃなくて、可愛い彩のままだったわよ、それだけでもお母さん救われたわ。 まあ、天国か?どこへいったか知らないけど、ちゃんと、しっかりしなさいよ!・・・・ 彩ちゃん!?
「こんにちは~ 敏生です。おばさん!」
「まあ、敏生君、いつもごめんね・・・でも、もう明日、火葬してお墓に入るからね・・・」
「はい、今度はお墓にお参りに伺います!」
「そう?」「はい!」
何よ、敏生君は、まだ彩のことが気になるの? 新しい彼女はどうしたのよ?
もう彩はいないんだから、好きにすれば良いのに。
彩? 敏生君って、いまはこんなんなのよ? 失ったものは大きかった!って思ってるわよきっと・・・ うふふふ・・・
*
そういえば、あれから6年ってことは、時間経過が同じなら、私は23歳かぁ~
大学行ったのかな?
もうみんな、私の事なんて忘れてるわね。
私のお葬式って・・・行われたんだろうか? ミキやミドリは・・・きっと泣いたよね、みんな~ ごめんね! でも、もう記憶にないかも・・・
さてさて! このところ少し記憶がおかしいわね? 私、平気かな?
*ベス 10歳の誕生日
「お父様、ベスも10歳になります」
「そうじゃな、よくここまで育ってくれた! 儂はうれしいぞ!」
「私もよ、ベス。あなたは、他の子たちとは初めから違っていたからね、少しは心配もしてたんだけど、どうやら良い方向に違ってたみたいね。ベス? あなたはもう立派な、マリアナ王国の国民でもあります」
「はい、お母様、ベスは、お父様、お母様のお陰で、ここまで大きくなれました。
これからも、よろしくお願いします!」
「ははは、それで? ベスはこれからは何か希望はあるのかな?」
「はい、いろいろ考えてはいるのですが、決まったら相談させていただきます」
「ははは、お手柔らかにな!? はははは・・・」
*
「さて、ベス、エバマリンの冒険者登録更新に行かなければだね・・・ 今日で、保護者は要らなくなるだろ?」
ああ、そうなんですよね、今日で、ギラン先生が保護者でいなければならない理由がなくなってしまう・・・
でも、先生からは、今後もベスの要請があれば、いつでも手伝うから、とは言われている。
何でも、とりあえず、二人でパーティ登録をしておこう、ということになっているから。
「こんにちは~ハドソンさん・・あっ!ギルド長はいますか? ベスです!」
「はい、少々お待ちくださいね・・・」
「おお、ベス、何だ今日は?」
「はい、ギルド長、今日は私の冒険者再登録に来ました」
「うん? 再登録だと? ・・・ああ、あれか! 特別登録の制限が消えるんだな?」
「そうですよ、よろしくお願いしますね」
「そうかそうか、もう、そんなに経ったんだな・・・・」
ギルド長の部屋に通されて待っている間に、いろいろ済ましてくれたようです。
私、ベスも、晴れて一人前のCランク冒険者、保護者同伴の規制が外れました。
あとは、何も変わっていません。今までの経歴もすべてそのまま引き継がれています。
それで、ギラン先生と私の二人のパーティを登録してもらいました。
名前は、ベスギラン・・・「何のこっちゃ!」 っていわれたけど、良いじゃん!?
*Cランク冒険者パーティ<ベスギラン>
「もし、メンバーが増えたらどうすんだ?」
「たとえ何人になろうが、名前を変えるつもりはありませんよ?」
「そうか? まあ、名前の変更などはいつでも可能だけどな」
「はい、わかりました」
「よし、まあ、今まで通り、またギルドに貢献してくれや! あてにさせてもらうぞ」
「ええ、今まで通りですよ・・・無理な物は駄目ですからね!」
「あははは・・・違いない!」
*海神様詣で
10歳、キリが良いので、海神様の神殿にやってきたよ。
ちゃんと、報告しなきゃね・・・・
「海神様? ベスです。先日、10歳の誕生日を迎えることができました。海神様のお陰です。いつも見守ってくださり、ありがとうございます」
「・・・・おおお~、ベス、大きくなったのお? そうか、あれからもう10年経ったのじゃな・・・よし、よし・・・どうじゃ? 何か困っていることはないかのぅ?」
「はい、特に困ってはいませんが、地上世界にもよく行っているのですが、何となく、自分を隠したほうが良いような場合もあって、今までは、ギラン先生にお世話になっていたんですが・・・ベスも、「変化」を使いたいかなぁ~ とは思います。」
「うんうん・・なるほどのぉ~ ちょっとその転移の指輪をいじってみようかの・・・」
私の周りから、眩しい光が集まってきて、転移の指輪に吸い込まれていったわね・・・
鑑定!
*海神の指輪(転移)
・追加:変化
・海神の加護追加:状態異常無効
「そら、ベスの希望のものを付けておいた。使い方は・・・まあ分かるな?」
「はい、大丈夫・・だと思います。ギラン先生にお聞きしますから」
「そうか・・・そうなると、地上世界へ行って暴れるのかな? ははは、それも良い。
もう、ベスには「不運」は寄ってこないしな」
「はい、すべて、海神様のそして、海竜様のお陰です。ありがとうございます」
「よしよし・・・」
「それと、私は、そんなに暴れません!・・・つもりです!」
「わははは・・・そうかそうか、すまんのう? でも、多少、元気すぎてもまた面白いぞ?」
「はい! 覚えておきます」
二度転生、二回死んだ少女の転生先は?・・海底から始まる新人生 たかみつ @itmto648
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