第13話 バロン金貨を売却
では、早速・・・出かけましょう!
・・・の前に、折角の商業ギルドだから少し聞いてみょうかな・・・
「あの~、すみません。古銭に付いて教えて欲しいのですが・・・」
「はい、お嬢様、なんなりと!」
あのバロン金貨を一枚だしてみました。綺麗な新品になっちゃった物を。
「まあ! これは・・・また、綺麗ですね? 新品使用前って感じですね・・・」
ということで、何か?知ってるのかな~
鑑定機みたいなものをカウンターの下から取り出して、金貨を布でくるんで丁寧に扱ってくれてる・・・・
「凄いです! これをどこで?」
「ああ、それ秘密です。どこだったか、古代遺跡から、まだ未使用と思われる物が出てきたって聞いています・・・が、どうぞ、あとは秘密にしておいてください。」
「はい、失礼いたしました・・・」
「こちらは、ご存じかも知れませんが、古代王朝の金貨で、バロン金貨というものです。
鑑定では、本物、未使用・・・現在の価格で、金貨100枚の取引となります」
と?いうことは、日本円で1000万円ってこと?このちっちゃい金貨が!?~~
あれ? どうしましょ!? 私、たくさん持っているんだけど・・・封印!ですね・・・
「あっ、そうなんですか、教えてくれてありがとうございました」
「いえいえ・・・あの~ 買取をしなくても良いのですか?」
えっ? 買ってくれるんですか?~ どうしましょう?
お父さんの顔を覗き込む・・・
「ははは、アヤ、一枚、買い取ってもらえば?」
「あの~、失礼ですが?」
「ああ、僕はこの子の保護者ですよ」
と、ダグラスさんからもらった仮身分証を見せているね・・・
「これはこれは、マリアナの方でしたか、失礼いたしました・・・では、買取金額10%割増しで、金貨110枚ということでいかがでしょう?」
「はい、ではそれで、お願いします」
と、奥の個室へ案内されて、お茶とケーキまで出して貰えた。
重そうな袋をもってきてくれたよ。
「どうぞ、こちらに、エバマリン金貨110枚を用意させていただきました。ご確認の上お納めください・・・」
手をかざして、鑑定! 金貨110枚に間違いなし、一応袋の口を開けて中身を目で見て見た。小っちゃい手で持ち上げてみて重さを確認、のフリなどをして、そのままポーチに収納したよ。
「まあ、お嬢様、それは魔法鞄なんですね、凄いですね」
「ええ、秘密にしてくださいね、私の大切な人から頂いたものなので・・・」
「ええ、確かに!」
なんか・・・金貨が売れてしまったわね・・・うふふふ・・・
時間が余ってるし、市場で私も買い物をしよ!
「おとうさん、少し買い物をするけど、良い?」
「ああ、良いよ、付いていくから・・・」
マリリンさんへのお土産とかいろいろ買っていたんだけど、なんというか、特にこれ!といって珍しいものが無いんだよね。だって、マリアナ王国とほとんど同じなんだもん?
なので、今は、港の桟橋近くまできて、沖の方を見ている・・・・
ここの港は、大きく、カニの手みたいに地形が出来ていて、波消しになってるから、港は波静かで良いよ。もう一つ、砂州に囲まれた湾となっているところがあって、そっちは水深も浅いのかな? 大型船は出入りできなくて、漁船がたくさん泊めてあるよ。
昔の地上の人々のことは知らないけど、今のこのエバマリン王国は・・・普通に良い国なのかもしれないね・・・
なんてボ~ってして海を眺めていたんだけど、
「あれ? おとうさん、私たちの船に向かって、小型船が近寄っていってない?しかも、なんか悪意感情を感じられるんですけど・・・」
「そうだね、ベスもよくわかるようになってきたね・・・あれは、きっと駄目な奴らが乗ってるね・・ ベスは? どうする?」
「はい、では、私たちの船に戻って、様子をみてみたいかな?」
「良いよ、行こうか!」
と、幸い、他人の気配も無かったので、そのまま姿を消して上空へ移動して、そこから交易船の真上まで転移! 移動してきた。
船におりてからそのまま姿を消したままで、近づいてくる小型船を待つ。
だって、私たちの交易船には、一人、船長さんが船の留守番をしているだけだしね・・・
来た来た・・・私たちの交易船にロープをかけてきた。
私が動こうとしたら、ギラン先生に肩を抑えられたわ。
「ベス? もう少し様子をみよう・・・」
と、言ってる間に、どんどん乗り込んできてるよ・・・4人が船に上がってきたわね。
こっちの船長は? 気づいていないの? どうやら、船長室で居眠りかな?
だから、盗賊たち?が真っ先に船長室に乗り込んでいって、船長さんを気絶させて椅子に縛り付けたわ・・・
どうやら金目のものを探しているみたい。だけど、金貨などはそれぞれ商人さんたちが持っていってるはずだし、今、船内には、売り渡す商品くらいしか無いはずなんだけど・・・
あっ! そうか~ 商品の中には、サンゴや宝石もあったんだわ!
見つけたようね、どんどん、持ってきた袋に詰め込んでいる。
「さて、ベス、もういいだろうな・・・僕は外で待ってる奴らをやるから、ベスは、乗り込んできたやつらを頼むよ?」
はいはい、任されましたよ!
まあ、なんてことは無いけどね・・・さっそく、気絶!を使って4人の意識を狩った。
先生の方ももう、とっくに終わっていて、船には3人残っていたらしい。3人とも眠っているわね・・・
とりあえず、全員7人をまとめて小型船に詰め込んで・・・
<にゃあ~>
って、ノアが小さく鳴いたわね・・・・
そしたら、盗賊たちの一人が、何か喋り始めた。
『俺たちは、エバマリン盗賊団、エバマリンのサンゴなどの商品は高く買ってくれる貴族様もいるからな、こんなチャンスを逃す手はない、今日も、交易団の連中が、上陸している隙を狙って、さっさと頂くものを頂く。
戻れば、貴族様が高く買ってくれるし・・・』
「貴族さまって誰? なの?
『はは、王都のキャンベル伯爵様だ・・・』
ノアちゃん、凄いわね、これは何?
「ははは、それは自白魔法だな、あいかわらずノア君は・・・凄いね・・・」
先生には分かったらしいわね。
そう? 自白魔法? 相手に勝手に喋ってもらうのね? 記憶読みなんてしなくても分かってしまうのね・・・
「ノア、私も使える? 教えて!?」
<にゃあ>
きっと、良い、って言ってくれてるわね。後で聞いてみましょ!
「先生? この人たち、どうすれば良いの?」
「そうだな・・・港の検問にでも転送してやろうか? ちょうど、自白してるしさ・・・」
段取りは、ノアに、あと3人くらいに「自白」をかけてもらう、<にゃん>、そのあとで、港の検問前に、先生が黒雲をモクモクと出してくれるので、そこへ私が、大きな音付きで落雷! と同時にその場所に、盗賊7人を全員転送して移動させる・・・
空になった小型船は、港の中に転送しておく・・・
ふふふ・・・上手くいったわね。検問から警備兵たちがどんどん集まってきてる。
歓迎の夕食会が始まった。私たちもお呼ばれしていたので、用意されたテーブルの端の方に座らせてもらえてるよ。
「皆様方、もうすでにご存じかと思いますが、先ほど、我が国の盗賊たちが捕まったようです。しかも、皆さまのエバマリンの交易船を狙った犯行を起こそうとしていた模様です。
幸い、神の加護なのか、未然に防ぐことはできて、交易船の荷物も無事なようです。
船長も気絶させられて拘束されていましたが、無事ということで、現在、警備室で簡単な治療を受けていただいております。
本当に、申し訳ない! ・・・・ 一歩間違えれば、大変なことになっておりました。
再度、申し上げます。この度は、本当に、申し訳ありませんでした。」
「まあまあ、幸い、特別な損害もありませんし、そちら様の謝罪を受け入れます。
まあ、今後はそういうことの無いように、お互いに注意・警戒していきましょう・・・」
まあ、それぞれの代表の商人さんが、そんな挨拶を交わしていたよ。
・・・ということで、料理は、魚料理が中心で、少し魔物肉の料理もでていたね。おいしく頂きました。私は、食後のデザートが特に良かったわね。
果物にケーキまで出てきちゃったし・・・
大人の皆さんは、もう、お酒と食事でお腹が一杯のようで、ほとんど、私へと回ってきたわ!
目立たないように、ポーチに収納させてもらいました!・・・
「ああ、お嬢さんはなかなか良い鞄をお持ちなんですなぁ~ そら、俺たちのお菓子も貰ってくれや~・・・」なんて言われてね。
それにしても、人間なんて、結構な数、悪い人がいるものね・・・・
そりゃあそうか、あの安全っていわれてた日本でさえ、そういう人たちが増えてきてたわよね・・・国の施策が、そういう人たちを増やしていく土壌をどんどん助長していったのよ。
だから、誰が! とは一概に言えないだろうけど・・・・詰まることろは、個々人につきあたるのかしらね・・・・
まあ、まだ子供の私が言えることではないわ・・・・
結局は、そんな他人に一方的に迷惑をかけたり、酷い場合には命さえも奪われてしまうのだから。幸い、ここは日本とは違って、魔法世界だからね、そういう人たちを簡単に排除出来てしまうってことさえ可能な世界なんだよ? 戸惑い? あったよ。でも、そんな迷ってたら、私の命なんてすぐに消えそう・・・
*
「うう~~ん・・・」
「ベス様! ベス様! 大丈夫ですか!?」
うん? ああ、マリリン・・・どうしたのかしら・・・
「ベス様、大丈夫ですか!?~ あああ・・ああ~~」
何か、私、明け方にうなされて寝てたようだよ? ああ、変な夢みてたのかな?
結局、エバマリン王国交易団は、夕食会の後に、無事「水転移」でマリアナ王国に戻ってきた。船長も、かすり傷程度で済んだらしい。居眠りしてて反撃もしなかったからね、それが幸いしたのかな?
「お父様、お母様、おはようございます。ベスは今日も元気一杯です。
昨日は、交易団に参加させていただき、ありがとうございました。
いろいろ、参考になりました!~」
「おおそうか、そうか・・・まあ、また機会を作ってやろう」
「はい、お父様、よろしくお願いします」
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