あたまつかいませう
Z「順列組み合わせを考えたり、場合分けをしたりして、一つ一つ可能性を潰していくことで解いていくタイプの問題があったんです」
A「え、○○○○○試験ってそんな問題あるんすか?」
Z「これなんか完全にミステリの消去法に応用可能ですよ」
A「そうすかねぇ……」
Z「場合分けをして条件が成立するかを追っていく。不成立なら次へ、というのはかなりタフな作業で脳のスタミナがついた気がします。思うにずっと仕掛けというかアイデアでミステリを書いてきた気がするんです」
A「(プロット作成前に)どのプランにするか打ち合わせするときのプレゼン資料の冒頭に記してある“肝”ってやつすね。この前のS賞でいえば“異常な動機もの、ホックの○○○の○○みたいなやつ”とか“叙述トリックプラス犯人当て”とか」
Z「そうです。この肝をもっと突き詰めていくと、もうワンランク面白いものができる気がするんですよ」
A「確かに。アイデア思い浮かんだ人ならば誰でも書けるレベルだとねぇ。それに“こんなの思いつくやつ誰もいないだろ”と興奮したとて、アイデアなんて誰かが思いついていますよ」
Z「このアイデアでなにができるだろうか、をもっと考えられる気がしてきました」
A「気がするだけでは……」
Z「AならばB、BならばCぐらいのことまではわかるのですが、CがいえるということはDが成立するんですよ、という感じでちょっと発想がジャンプというか、よく考えないとわからないところでつまづくんですよ」
A「よくわかんないんすけど」
Z「A、B、C、D、E、Fの男女三人ずつの六人が円卓に座っていて、“Aの向かいにいるのはAと同じ性別ではない”、“Bの隣はE”、“Eの右隣にいるのは女でDではない”みたいな」
A「はいはい、論理問題ですね」
Z「この手の問題、途中で止まるんですよ。ここまでしか絞り込めないじゃないかって。で、解説を読むと“ん?”という一文が出てくる。え、そんな条件与えられていませんけれど、と」
A「ん? ん?」
(中略)
A「はいはい、XとYがいえるということはZということはありえないんですよ、Aさんの隣がBさんという男であることはZになりますよね、がすぐには咀嚼できないんですね」
Z「ほんと、そう。お前しれっとかいてあるけど、なんでそういうことになるんだよってイライラする。いまだに解説読んでも理解できない問題がいっぱいある。ただ、このイライラの部分をじっくり考えていると理解できる瞬間もあって。そういうとき、あ、となる」
A「あ、とは?」
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