第3話 我が使徒、白木琢磨に命ずる! あのクソエルフに孕ませお仕置きセ〇クスをしなさい!


 【ミリアナの書】


 かつて創造主は星を創った。

 世界に理を創り生命を芽吹かせた。

 3体の最初の神を創り世界を育ませた。

 何千何万と時が経っても変わらない完璧な世界だった。 


 創造主は星から去った。

 残された3人の神は捨てられた。

 この星のように。

 

 3体の神は天界より地上に降りそれぞれが活動を始めた。

 3神が分かれたことで世界は変わった。

 3神は大神と名乗りそれぞれ神を創った。


 ミリアナも大神が創った神の一人である。

 創造主の創った世界樹を管理するための女神であった。

 大神たちは創造主が残したものを欲した。

 

 創造主がいた頃にはなかった欲望が、世界を混沌に満たすのは早かった。


 醜い争いの果て複数あった世界樹が残り一つとなった時。

 世界は哭いた。

 全てを無にする破壊が産まれたのだ。

 星そのものが消え去る。

 それは大神には許容できないことであった。

 全ての神の力をもちいて破壊を封印した。

 同時に神々の神威は下界から消えた。

 大神の時代の終わりを告げたのであった。



☆★☆


『てことがあってから、神は下界に直接干渉できなくなったのよ。神託や加護を与えることで信仰を得て神威を得るしかなくなったの……それなのにあのクソエルフのせいで……!』


 開いた書物には簡単な新時代の歴史と、後半はミリアナ様の愚痴だった……。

 ちょっとまって、俺の中のミリアナ様像が崩れるから、ほんとやめてくださいお願いします!


『エルフは世界樹を守り精霊と共に生きるとかぬかしやがって! 誰のおかげでその最後の一本守ったと思ってんだぁあああ!!』


 めっちゃキレてる。

 ヒス女って怖いよね。


『世界が衰退を繰り返したことで私の名前すらなくなってしまったわ。 でもあのクソエルフが意図してやったこと……信仰を奪うことが神の力を奪うことだから。 エルフたちは精霊王に信仰を集めている』

 

 なんかこの世界のエルフって腹黒そうですね。


『でも奇跡が起きたわ。 消え去りそうだった私に、異世界から信仰が集まったのよ。 その中でもっとも強い信仰を持っていたのがあなた、白木琢磨だったわ』


 世界中でミリアナ様は大人気だった。

 その中で一番と言われると、めちゃくちゃ嬉しいんですけど?

 

『我が使徒、白木琢磨に命ずる! あのクソエルフに孕ませお仕置きセ〇クスをしなさい!』


「……なっ、なんだってぇ!?」


 それはあまりにも、25歳童貞のデブには難しすぎる使命であった。



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