第一章・準備

1話目・服従

「っは…はぁ…はぁ…」

俺は意識を失っていたのか…?

どうなったんだっけ。ああ、そうだめっちゃ怪しい知らない人に脅された…

やばい。ここってもしかしてあいつの…


「おはよう。シーヴァくん」


ですよねー。

いや、予想はしてたんだよ?してたんだけどね。うん。

助かってた方がうれしかったよね。


「返事もないとは悲しいなぁ。昨日はあんなに快い返事をしてくれたじゃないか。」


昨日…?

気を失ったのがお昼の少し後で昨日ってことは、半日ぐらいは寝ていたのか。

そんな事考えている場合じゃないわ早く返事しなきゃ。なんか、死にそう。

「おはよう…ございます…。」


「半日も寝てお腹が空いているだろう。さぁ、これを食べるんだ。」


指を指している方を見ると、テーブルに美味おいしそうなスープやパンが並んでいた。

本当に食べていいのか?魔物まものの肉とかが入ってたりしないよな…。

「いいんですか?」


「もちろんだとも。たくさん食べなさい。これから私の仲間になってもらうんだから。」


椅子に座って、スープを一口食べてみた。普通に美味しかった。

「美味しいです」


「そうだろう。私が特別に調合ちょうごう(改造)した薬草やハーブが入っているんだ。」


黙々と食べているといつの間にかもうご飯がなくなっていた。

ご飯を食べお腹いっぱいになったからか眠気が襲ってきた。

「すみません。眠くなってしまったので寝かせてもらってもいいですか?」


「あぁ、構わないよ。疲れも溜まっているだろうし…ね…。」


あいつが不敵に笑っているような気がしたが、まぁ気の所為せいだろう。

おやすみなさい。



「よし、睡眠薬すいみんやくは……んとき…い……る……だ…。」


なんか言っている…のか…………?。




「んーンはーぁ………。」

よく寝た、よく寝た。

光が眩しいぜ。今の状況と違って、どうせまたあいつが…。


「あぁ、おはよう。シーヴァくん。気分はどうだい?」



いいですと言いかけて視界に違和感いわかんがあることに気がついた。

なんだかあいつからオーラみたいなのが見えるし、空気中に光の粒子りゅうしみたいなのも浮かんでる。

「なんか視界が変かもしれません。」


「良かった。成功しているようだな。私から出ているオーラが見えるかい…?」



うそだろ…。なんか俺されたのか?

「見えますけど…。」


「君の左目を取って魔力まりょくが見えるようになる義眼ぎがんにした。これも強くなるための一歩だ。」


もうヤダ。現実見たくない。あのときすぐ断っとけば…いや、それでも無理そうだ。何回脳内でシミュレーションしても俺がYESって言う未来が見えるぞ。

どうしてだ。そもそも薬草を摘みに行かなければ…。

もうこんなことを考えていても仕方がない。新しい人生(?)を

過ごしていくしか道はなさそうだ。はぁ。

「そうなんですか。もっと強くなるためにはどうすればいいんですか?」


「いいことを聞いてくれたね。強くなるためには…魔法マジックの手数を増やし、それぞれの魔法の制度を上げていく必要がある。実際に明日からやっていこうか。」

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