イエロー・アーモンド・アイ連続殺猫事件

　雷鳴が轟き、ショップがカタカタと揺れる嵐の日。一匹のシャム猫が忽然と姿を消した。ショップを探し回ってもいない。
　――どこにいるんだろう。
　私の胸中は黒雲のごとく、重苦しい気体がグルグルと渦巻いていた。

　そして次の日の朝、シャム猫はびしょ濡れで発見された。白目を剥き、舌をだらんと垂らして、発見された。
　この出来事は、どこかのタイミングで逃げ出したシャム猫があった不幸な事故だということで処理された。

　そして次の日。
　ヴルルルルルルルルル
　ものすごく低い唸り声。落下してくる烏。私は、奇妙な黒い影を見た。

　――この出来事が、「ショップ・ミラクルアース」の地獄の始まりの門に過ぎなかったことを、当時の彼女らは知る由もない。