落とし穴の先に
柔らかいものが俺の手のひらに触れた。
一瞬にして、衝撃が走った。
こ、これは、もしかして、おっ〇〇!!
暗闇で何もわからないふりをして揉んでおこう。
もみもみしていると、二人の声が背後から聞こえる。
「なにをしてるの ?スライムに」
「なにをしているのですか ?スライムに」
「えっ?!」
俺は、咄嗟に手を離す。
魔剣を構えるが、暗闇でなにも見えない。
「くそっ視界が悪いっ」
「右よ!!」
俺は魔剣を右に振った。
何かに当たった感触が残った。暗くて何も見えない状況の中、足元に何かが付着して、身動きが取れなくなった。
「スライムの体液よ。触れないように気をつけて、まさかなにかと勘違いして触ったりとかしてないでしょうね ?」
「ははっ、まさか俺はそこまで愚かではないよ」
口が裂けても胸と勘違いして揉んでいたとは言えない。言ってしまったら完全にアウト。
つまり、死を意味する。
「じゃあ、手に付着しているスライムはなんでしょうか ??」
スライムを触っていました。
すいません。
スライムを胸と勘違いして、触りました。と
謝罪しておこうと思う。
急に魔剣から人型に戻った二人は、暗闇の中俺を置いて、何処かに行ってしまった。何かが、破裂したような音が聞こえてきた。
まるで風船が破裂したような感じに聞こえる。
まさかの、おれいらなくね系ではないか?
スライムは、ゴリラダブルパンチにより爆散した。
そこら辺の魔物で試したことはなかったために
わからなかったが、スライムのプルプル衝撃吸収バディでも耐えることが不可能だったようだ。
ゴリラパンチを毎回受けている俺からすると、
威力はとてつもないと感じた。
次はお前。みたいな感じで暗闇の中、二人の目がこちらを向いている。
暴走したように俺に襲い掛かろうとするが、
俺は、頭を抱えてかがみ込むとその時に何かのスイッチを踏んでしまったようだ。
ガコッという音とともに、また落下していく俺。
落ちていくがわかったあとに、悲鳴をあげる。
その悲鳴は、上にいた二人にも聞こえたようだが、上で蓋が閉じたような音が聞こえた後に、
あっ、という声が聞こえた。
地面が見えないどうしよう。
このままだと、モニュメントになっちゃうんですけど、いやだよ、そんなの困りますー。
俺は主人公だから、この状況を乗り越えられるから主人公なんですー。
乗り換えられないのならば、そこで試合終了。
ゲームオーバーってやつだから、また転生とか話にならないからね。
助かる方法は、壁があるのならば、腕や足の筋力を使って登る方法か、落ちて着地の衝撃に耐えられるか。
落ちていくなか思考がぐるぐるまわる。
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