おれは強気に出てみる。だって魔剣もってるから最強でしょ?
もしかして、ドラゴンの気配を感じて俺を移動させたのか?
だとしたら、こいつらは、戦闘が大好きなのかもしれないな。
―ドラゴンの気配を感知しています。強い魔力反応にひかれてこちらに向かっています。
強い魔力の反応だって?いやいやいや、強い魔力なんていないからきっと何かの間違いだから、ドラゴンなんて倒せないから、レベル99の勇者が聖剣エヴォナールドシヴァを持って人々を苦しめる凶悪なドラゴン、グイグーニアールを倒すために勇者は立ち上がる。民を町を王国を救うために。みたいな感じのストーリー展開が理想だろうよ。そして倒したドラゴンの呪いが聖剣により解放されると美少女がふあっと姿を現して、勇者様助けてくれてありがとうというエンドがいいと俺は思うぞ。
俺のドラゴンの遭遇は違うパターンだ。おそらくこいつらに分けたおれの魔力にひかれてドラゴンは強敵と判断して俺のところに向かっている。というのが俺の考えである。
ドラゴンンの咆哮が遠くのほうから聞こえてくる。耳をふさぎたくなるほど大きなではないが、咆哮を聞いた魔剣の二人は、きたっ、きたっ、きたっ、みたいな感じでテンションが上がっているようだ。俺のテンションは上がらない。また考える。ドラゴンとはこの世界では国を亡ぼすほど力の魔物だ。それを倒したとなれば、異世界で魔剣無双じゃね?つまり俺には敵などいないということになるよな?
―そうなりますね。
「ドラゴンは俺が倒す」
これぞ、最初は勝てないからやらないとか言っておいて、勝負してみると実はめっちゃ強いやつだったパターンだ。魔剣を構えたいところだが、魔剣は二本ある。両手に二本の魔剣というのは、と思っていたが、2人は魔剣になると、クラリエは俺の右手に。クワイエは緑と黄色が混じった長剣になる。左手には持つことはなく、俺の元を離れていく。宙に浮いているようだ。魔剣は長剣に見えて2つになるような設計をされている。1は片手でも持てる剣とRPGにでてくるダガーのような短剣で2つが1つの剣になっているようだ。
「急に強気になったわね、どういう感情なの?」
「まさか、また、私たちを使って変なことを考えているのでは?」
魔剣から人に変わると俺をじっと睨んだのち、まあいいわ。という顔をして再び魔剣に戻る。俺は宙に浮いてるクワイエに手をのばす。クラリエは手から離れると俺の周囲をまわって待機する。クワイエを握る。契約の紋章が光りだしてクワイエの声が聞こえてくる。
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